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Re: ーΩー オメガグランデスト ( No.2 )
日時: 2011/04/06 11:47
名前: ジェネレータ ◆tSdCM0v21w (ID: 7vvUHEHF)


 
 夜明け前の暗い路地。空には新月をむかえたのか、月の姿はなかった。まさに、暁闇の空のようだった。

その場を照らすような一つの光が弾け飛んだ。

「いってぇな、お前誰だ」

そう叫んだのは街灯に照らされた、一人の男。向かい側には闇の中にうつった、少年の影。

「グランデストの“レザン”だ。お前はダークグランデストだろ」

少年は答えた。男はまるで、あざ笑うかのように言う。

「お前、一人で来たのか。あぁ、そうさ。俺がダークグランデストだが?」

そう言ったとたん、男がナイフを飛ばした。
それをレザンは軽々と避ける。

「甘いぞ!」

今度は男の手から、刀がうまれる。

「これは避けれるのか?」

男が乱暴に振り回した鋭い刀はレザンの手を、少しかすったように見えた。血が流れ出る。
今度は上から下へ振り下ろす。レザンは間一髪で後ろに避けた。

そして右手の掌を男にむける。凄まじい光と共に男は刀を落とし、地面に両手をつけ、仰向けになる。

「暗黒の組織、ダークグランデスト……。俺達の敵だ」

男が何かを喋ろうとした時、レザンは一歩前に歩み出た。

そして、彼は男に向かって右手を突き出した。まるで何かを掴んでいるような血走る指先。

手を少し上に動かした時、その正体があらわれた。
透き通るような光沢。透明の剣を握りしめていたのだ。

「意味もないのに人を殺す。テクノの力を悪用する。お前は楽しいのか」

その瞬間、レザンの剣が男の足に刺さった。外から見ると剣は見えないので、血だけが溢れ出てくる。

「まだお前は死んでない。意志があるならよく聞け。俺はダークグランデストを潰す」

男はその場にぐったりと倒れこんだ。