ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.132 )
日時: 2011/07/25 07:20
名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)

彼が喉に短剣を突き刺そうとしているのが見えたから。
ボクは、思わずその手を握ってとめた。
手の手術痕が疼いたような気がした。

「——まだだよ」

こんな事するつもりはなかったけど、と自分でも言い訳じみた言葉を心中で吐いた。
厳つい顔で彼が睨んで来る。
普段は毛嫌いするその表情に不思議と恐怖は感じなかった。

「まだ死ぬ時じゃない」

こうしないとあの人が悲しむから、さ。
自分には 出来なかったけど、この人にならできるような気がするんだ。
何でだろう?
そう思いながら、ボクは喉に向いてる短剣を掴んで、放り投げた。
そして、彼に向かってぎこちなく微笑み、唇を開いた。






声は、届く--
(きっと、君にならできるはず)