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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- 隠心ブレイブ ( No.22 )
- 日時: 2011/05/12 15:49
- 名前: るりぃ ◆wh4261y8c6 (ID: CbXJUujt)
一見普通のマンションの一室。
此処に彼女、小山 餡子は住んでいる。
キレると長崎弁を喋る謎っ子ちゃん。
紫色の髪の毛をおかっぱにしていて、平均より少し浅黒い。
藍色の瞳を持っていて、一言で言えば萌えを全部詰め込んだキャラ。
他のキャラとの会話が淡々としているので翻弄されるほかのキャラを見てよく笑ったものだ。
小柄ながらナイフを操る彼女の真似をしようと妹が包丁を振り回そうとしていたので焦りながらとめたのを覚えている。
「もしもーし。」
私は彼女と同じく小柄である、これでも二十歳は過ぎているのだが……
まぁ、誰かに目撃されたとしても私という友達が餡子の家に遊びに着たようにしか見えないだろう。
「何ですか?」
「ちょっと用があるのであがっても良いですか?」
それで彼女は少し警戒しつつも家に上げてくれた。
「餡子」
「何?」
「餡子は偉いね」
「は?」
情報を持っているから狙われて。
いくつも命を奪って、何度も血で血を洗って。
どうしてここまで無情にならねばならないのだろう。
「私、餡子を甘く見てた。」
「…………そう。」
餡子だって所詮はただの人。
無情になんかなれっこないのに、私は不用意な事をしてしまったのかも知れない。
だって餡子はそれが仕事で、それが生き方なのだ。
だから。
「絶対、人を殺すなだなんて言わない。」
「…………」
「だけど、それがもし、避けられる殺しなら、殺さないでほしいの。」
矛盾してるだろうけど、それでも餡子に心で泣いてほしくないから。
きれいごと、と言えばそれでおしまいだけれど綺麗ごともたまには必要だと思うのだ。
だから。
「餡子、あなたはせめて、生きて。」
隠心ブレイブ
(いつかの私のように心が死んでしまわぬように)
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