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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.68 )
- 日時: 2011/05/30 20:37
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
- 参照: るりぃ改め華京!心 機 一 転 !
孤児院は今日もうるさい。
「みーくんが殴ったぁぁあああ!!」
「絵本破れた!?」
「ちょ、おま、それアタシのぉぉおお!!」
「うるせぇおまえらぁぁああ!!」
「……はぁ……」
毎朝恒例の喧騒。
今日より恒例化されるラジオ体操を終えて、それでも元気な子供達を見守る少女が一人。
藍色の髪を靡かせてフード付きのポンチョを着ている彼女は頬杖をついてふて腐れていた。
「お疲れ様ですね。飛曇ちゃん。」
「本ッ当僕って苦労症だよー。だいたい何さ、今頃になってラジオ体操って...…」
わざとらしい彼女の言い方にクスリと笑みが漏れる。
子供達に殴られてできた傷痕に薬を塗り込む。
あぃてっ! と彼女が肩を持ち上げた。
「まぁ、それが飛曇ちゃんの宿命ですね。」
「僕そんな宿命ヤなんだけど……」
ジロリと睨まれて私は軽く肩を竦める。
あ、子供達が壁に頭ぶつけた。
「何とか云ったらどーなの?」
「いてっ」
額を指で指されたので唇を尖らせればもう一発来そうだったので口を噤む。
に、しても何とか言え、と? ふむ。
「飛曇ちゃんは闇の世界よりこっちのが合ってるよ」
「—————へ?」
飛曇は驚いて目を見開き手の平から顎をずらした。
「いや、なんか言え云うから素直に直感ぼやいただけだけど…どうかした?」
「……いや、……」
何かを考えるように黙りこくってしまった彼を一瞥し、私は子供達に視線を移した。
奇声を発しながらタックルしていく少女を少年はがっちり受け止める。
そのまま取っ組み合いに突入したのでぼうっとしていたら、声がした。
「ありがと」
暗闇スマイル
(はにかんだ彼女は嬉しそうだった)
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