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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.74 )
- 日時: 2011/06/04 10:15
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
「反則である! もう一回なのだッ!!」
「もう50回越えますよ……」
彼が挑んできた『腕相撲』で勝負をしたら、すぐに勝ってしまった。
速さ的にはコンマ1秒だ。腕相撲がこんなに弱い人初めてみたよ。
ため息をつくと、通りすがりの人と目が合った。
「あの、すいません」
「なんだい?」
「あの、この人と腕相撲してあげてくれないでしょうか」
そういえば彼はしばらく私と彼を見合った後頷いて私と席を入れ代わる。
失礼するぜ、と言う通行人さんに対して50過ぎ連敗中の彼。45敗を越えた時点で彼が泣きすぎによって眼が真っ赤になっていたのは内緒だ。
「参、弐、壱……始めっ!」
「ふんっ!!」
「ぎゃぁああぁ!!!!」
通行人さんの腕から繰り出された渾身の一撃は、見事に彼の腕を机に平伏させた。
勢いあまって机にヒビがいったのは見てみぬフリをしようと思う。
彼は相模 直人。
自分以外に完璧を求める完ぺき主義者。
自分に甘く相手に厳しくがモットーだ。
彼もプレイヤーキャラだった記憶はあるのだが、使ったことは一度も無いだろう。
だって彼は非力だから。
だから私は彼の技も知らない。
唯のジンジャーエール好きの人間としか認識していなかったから。
「もう一回! 俺の周囲の霊たちが反則だと訴えている!」
「いい加減にしましょうよ……はい、ジンジャーエール」
非力な権力者
(通行人が去った後にジンジャーエールを飲ませたらご機嫌になりました)
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