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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.83 )
- 日時: 2011/06/13 12:16
- 名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)
「待ってくれ、兄貴——! それは……それは罠だ!」
数分前。
【魔女】から手紙が届いた。
それを見た瞬間、俺と兄貴の血は音を立てて引いていった。
アイツが危ない。
そう考えたけれど、明らかにこの手紙は罠だった。
馬鹿な俺にもわかるんだから、兄貴に分からないはずがなかった。
それに、兄貴は俺の事ならいつでも聞いて意見を出してくれた。
「兄貴にはもう——俺の声は届かない、のか」
ゆっくりと傍においてあった短剣を手に持った
「……否、俺に声なんて必要ねぇな」
切っ先を喉に向けて、自嘲の笑みを浮かべた。
勢い良く喉に突き刺そうと腕に力を込める。
その時に浮かんだのは
楽しげに笑う、兄貴と、アイツと、俺の顔。
「お前なら」
ふ、と一瞬力を抜いた。
頬をしきりに零れ落ちる雫を振り払う。
「お前なら、諦めないんだろうな」
再び手に力を込めた。
風雷神の傷心
(諦めるなといったはずなのに)
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