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Re: 【これが私達の】KATANA-刀-【生き様だ】 ( No.84 )
日時: 2011/06/13 12:16
名前: 華京 ◆wh4261y8c6 (ID: ThA8vNRQ)

『なんだか最近、荒れてるらしいが……大丈夫か?』

何故俺に聞くんだとため息をついた。
七詩さんは構わず続ける。

『まぁ、こっちのスラムには俺達がいるから誰も手出しはできないけどな!』

何故俺《達》になったんだ。

『最強を有する彼奴七詩と——』

それは否定できないなぁと心の中で一人呟く。

『日本一の人形使い、唐鏡 雀!!』

イキナリ何を言うんだこの人は。
と思って七詩さんの顔を見たら、ほんのりと朱に染まっていた。

『俺達が組めば……そうだな、世界だって夢じゃないぞ?』

ふぅ、とため息をついて七詩さんの手元の杯を見た。

『……七詩さん、飲みすぎです』
『でも』

七詩さんは、はにかんだような笑みを浮かべた。

『負ける気はしない、だろ?』




「……どう、して」


紅に濡れた大地の上に、見覚えのある色があった。
地面は雨が降りぬかるんでいるが、気にせず膝をついて手を伸ばした。
触れた彼は、凍りつくように冷たくて。
炎のように紅い血潮を溢れさせながら、十字架に磔にされていた。
そう、まるで、キリストのように。
こんな事をするのはアイツしかいない。
俺はギリ、と歯を食いしばった。
その時、七詩さんの掌に握られていた紙が現れた。
俺は七詩さんの手からそれをそっと取る。
血が付着していたそれを、何とか読み取って、俺は目を見開いた。

「【魔女】め……!!」

七詩さんばかりか、アイツまで奪われるのか。

『その『神子』との縁、大切にしろよ? …きっと、大事なものだから』

七詩さんの声が聞こえた。
そんな気がした。

「七詩、さん」

俺の頬を何かが滑り落ちた。











神様気取りの
(憤怒と哀切 そして大切なものを思い出した)