ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 【これが私達の】KATAN ( No.99 )
- 日時: 2011/06/15 11:46
- 名前: 篠鼓 ◆6rD.0ypKNs (ID: c5zRNdeN)
ふっへへww
今日は学校のイベントの振り替え休日なのですww
とゆーことでお送りする第4回目!((チョ
約束通り場の空気が悪化してブーイングの大嵐が襲来するようなのかいちゃる!
※相変わらず意味不明で短いです。
※多分次ぐらいで終わると思いますー。
※誤字脱字のオンパレードー
今更ですが>>60の間違い修正 「陽樹」でなく「紅炎」です。
※シャダイブーム過ぎたのにシャダイ一押し
※そんなこんなで大丈夫か?
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「俺の大切な同居人。 俺は、彼…いや、彼女を探している。」
はっきりとした口調で、青年はそう言った。
師匠が、女性? 一瞬だけ、呆気に取られた。
あの人はどこからどう見ても『男』そのものだった。
人よりも逞しい体躯も、男特有の低い声音も、果ては仕草も男臭かったのを覚えている。
むしろ…初対面時に師匠を男だと思うのが普通だと思えるくらい、あの人は『男』だった。
「セツナは元から『女』が嫌いだったから、あの姿を好んでいるんだと思う。
…男が女顔だとか童顔だとかは聞くが…珍しいのか?」
心底不思議そうに、青年は言った。
「男が女顔ってのは受け入れられるモンだけど、逆はあまり望ましくないらしいな…男尊女卑の名残か?
俺は、セツナがそう望むならそれで良いと思うけど。」
青年は笑っていた。 ただ、顔だけで笑っていた。
機械のような作り笑いから発せられる何も含んでいない言葉は、ある意味歪んでいた。
しかし、何故俺を助けたのだろうか。 師匠越しとはいえ関わりは皆無だったのに。
「……ん? 君を助けた理由か…?」
作られた表情を一切変えずに、無機質の言葉がこちらに向いた。
…この人は、読心術の類でも心得ているのだろうか。
「理由はそんなに気難しくない。 単純に君が死んだらセツナが悲しむと思って。 それだけ。」
「…それだけ、ですか。」
「うん。 逆を言うと君がセツナと関わっていたから助けた。
最初は見殺しにするつもりだったんだけど、数時間と数秒前に君がセツナと関わってるって知ったから。
1から4回目は知らなかったから見殺しにしたんだけど、5回目でやっと気付いてな。
…まぁ、別に君が死んだ回数には興味は無い。 無論、君の姉も。
ああ、心配すんな。 これから先に6回目があるとしたら今度は助ける。」
5回目…? 俺はこの人に見殺しにされて4回死んだという事だろうか。 わけが、わからない。
「…ああ、そうだ。 俺の名前名乗るの忘れてた。…書くもの無ぇかな。」
青年は立ち上がり、放置され腐臭を放ち続ける『姉さんだったもの』の傍に駆け寄った。
『姉さんだったもの』から溢れ出る血を指で掬い取ると、自身の右腕に何かを描いた。
「ほら。」
俺の目前、青年の右腕には腐臭漂う赤い線で「彼奴 七詩」と書かれていた。
「カレヤツナナシ、それが俺の5番目と23番目の名称。
君は…セツナから聞いてる。 サカイザンゲツ、だっけ。
で、あそこに転がっているのがサカイヒダネ。 合ってる?」
俺は黙って頷いた。 青年…七詩は今度は目だけで笑っていた。 だが、目以外は俺の方を向いていなかった。
「漢字は覚えてないけど、そんなのどうでもいいよな。 呼び方さえ覚えていればどうにでもなる。」
七詩は乱暴に自身の腕に書いた文字を擦り落とすと、「ああ、そうだ。」と目以外をこちらに向けた。
「君、将来的にはセツナに会うと思うんだ。 その時、渡してほしい物がある。」
七詩は懐から栞のような物を取り出すと、俺に手渡してきた。
…桃色の、見た事も無い綺麗な華の栞だった。
「セツナに渡せばきっと分かると思う。 俺が探しても、彼は見つからないだろうし。
…それじゃ、お願いするよ。」
ここで、俺の記憶は途絶えた。
目を開くと天井が見えた。 ここは、師匠の部屋のベットの上らしい。
俺は、長い夢を、見ていたようだ。
「…ああ、残月。 よかった、それなりに心配したよ。」
ベットの近く、師匠が煙草を咥えたまま脚を組んで椅子に座っていた。
「悪かったな。 あれは一昔に調合した睡眠薬だった。 …あれ、何で冷蔵庫に入れてたんだろ。」
師匠はそう言って何やら独り言をぼやいていた。
「調子はどう? 前触れ無しに吐いたらブッ飛ばすからな。」
「…あの、師匠。」
「何?」
「俺、此処に来た理由、思い出しました。」