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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の日常はどっち? ( No.14 )
- 日時: 2011/04/11 07:44
- 名前: ゆn ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)
「いってぇっ!!!」
今日も俺は階段の真ん中あたりから落ちた。
当たり前に痛い。段差の所に何度も何度も身体を打ったからだな……。
それなのに、誰もこない所を見ると……無視か? シカトかっ?! みたいな、クダラナイ想像をする。
でも、一階にはいるはずだ。だって、ベーコンのにおいしたもん。
「はよー。腹へ……った……」
扉を開けて、リビングの中に入っていくと親はいなかった。
不安に思って周りを見回したり、ソファ等の家具の後ろや、隙間を見たが、親はいなかった。
怖い怖い怖い! 背中から汗が流れたのが判った。
俺は急いで自分の部屋に戻った。朝飯には、見向きもせずに。
いま、俺が頼る事が出来るのは従兄弟のお兄ちゃんしかいないんだ。
「お兄ちゃんっ!!!」
部屋の扉を豪快に開ける。
ドアノブが壁に当たりガンッと鈍い音がした。
お兄ちゃんはパソコンの前で俺の事を不思議そうに見ている。
「お兄ちゃん……母さんも……父さんも……何処に行っちゃったんだよ……」
俺はか細く、今にも泣き出しそうな声でお兄ちゃんに言う。
お兄ちゃんは、驚きで目を丸くしていた。
「燐。それ……本当か?」
椅子から立ち上がりながらお兄ちゃんが言う。
俺は、小さく頷いた。
小さい頃から大好きだった両親と、今日をもって別れてしまった。
どうして……。俺は小さく呟いた。
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