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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の日常はどっち? ( No.26 )
- 日時: 2011/04/25 22:25
- 名前: ゆn ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)
俺は痛みを抑えながら席を立つ。
「お前は虐められてるんだから、痛み止めやる」と言われ貰った薬を見つめる。
今日の朝、従兄弟にお兄ちゃんに貰った薬だ。
なんの問題もない。といわれた薬を飲もうか迷っていたが飲む事にした。
痛み止め……らしいが……。
飲む気にならないな。そう考えながら、机と机の間を歩いていく。
何時もなら嫌がらせをしてくるクラスメイトが、今日は嫌がらせを一つもしないで俺を教室から逃がした。
俺には“出た”じゃなくて“逃げ出す”。こっちが正しいんだ。
「……っふ〜……やっと出れた」
教室の扉を開け、廊下に出ての第一声。
廊下の空気は教室の空気に比べ、軽やかに流れていた。
教室の空気は、重たく沈んでくるような感じだったため、息苦しさには耐える事が出来なかった。
抜け出せた事に対して大きく背中がそる位の伸びをすると、背中がピキッ……という不吉な音とともに、
先ほどとは比べ物にならない痛みをもって俺に襲い掛かった。
「い゛っ??!!」
忘れていた痛みが倍に程の威力になって俺に襲い掛かってきたため、
俺はその場にしゃがみ込む。
しゃがみ、蹲っている俺に一人の男が寄って来た。
「大丈夫か? ……燐」
会ったこともない顔の人なのに、俺の名前を知っていた。
俺は驚いて顔を上に上げる。
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