ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 俺の日常はどっち? ( No.59 )
- 日時: 2011/05/27 17:02
- 名前: ゆn ◆/ouM5WC8CY (ID: XLtAKk9M)
カーテンを開けてみたが太陽の暖かく眩しい光だけしか入ってこなく、
外で朝食を食べて居る近所の人は誰一人としていなかった。
別に何も無いじゃないか……。そう思い再びカーテンを閉めた瞬間。
誰もいないはずの一階から階段を上ってくる音が聞こえた。
その足音は静かにだが、ゆっくり確実に俺の部屋のほうまで近づいてきて居る。
この家の二階には、俺の部屋と母さんの部屋、父さんの部屋。
合わせて三つの部屋しか存在しない。
しかも、父さんと母さんは行方不明中だ。
だから……強盗だとしても狙うのは親の部屋の金品と人質代わりに俺の事を狙うだけだろう。
足音が……俺の部屋の前で止まった……。
部屋が暗い所為もあって緊張感が半端ではない。
「……燐ーっ! 朝だよ朝だよ! 早く起きないと遅刻するよ!!」
ガチャッ。と盛大な音を立てて扉が開いた瞬間、俺は肩がビクッと揺れた。
……が、入ってきたのは強盗ではなくあの、変な人。
じゃなくて……俺の本当の兄貴。
“峰裡巧太”
巧にぃは、現役の警察官だ。
主に、殺人事件や傷害事件を担当している。
一見高校生にしか見えないが実年齢は、二十六歳。
俺と、十歳も違う。
「巧にぃ。驚かすな。もっと普通に帰って来い! てか、いつ帰ってきたんだよ!」
ちょっとした怒りも交え俺は巧にぃに文句を言う。
巧にぃは、一瞬不思議そうに顔を歪めた。
「普通にって……俺は普通に帰ってきたよ? でも……燐くん“おかえり”って言ってくれないから……
寂しくて驚かそうと思って……。あっ、もしかして……俺の事……嫌い?」
捨てられた子犬のようなうるうるした目で見られる。
俺はこの顔されるのは苦手なんだ。
……だって[自主規制]するからな。
しかも、俺より背が低いから自然に上目遣いになる。
これって良いんですか?
不公平だよねぇ? なぁ、神様よぉ!!
「いやっ、巧にぃ帰ってきたの判らなかったし、
仕事長引くとか言ってたし……さ、何時も心配で待ってるんだけど
帰ってこないから、寝ちゃったんだ……。ゴメンね?」
悲しい事に、俺は兄貴を甘やかせ過ぎたみたいだ。
俺のこの言葉だけで元気を取り戻して嬉しそうに笑い、
ぴょんぴょん飛び跳ねた。
「じゃ、じゃぁっ燐くんっ! おはようっ♪」
満面の笑みで朝の挨拶をしてくる。
「あー、うん。おはよう。もう朝飯できてるんでしょ? じゃぁ下行こうよ」
巧にぃは、凄い嬉しそうに笑った後、「うんっ!」といって先に下に下りた。