ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 俺の日常はどっち? ( No.6 )
日時: 2011/04/29 10:44
名前: ゆn ◆sJpB9ckHBE (ID: XLtAKk9M)

【変わり始める俺の日常】


相も変わらず服が脱ぎ散らかしてあったり、お菓子の食べかすやゴミが散乱している部屋で俺は生活している。
カーテンも閉め切って、外からの光は当たらない。
俺にとってはそうでもないが、皆には“陰気くさい”と言われている部屋だ。
唯一この部屋で明かりがともるのは“パソコン”を使用するときだけ。
それ以外では、室内外合わせても光は入ってこない。
まぁ……この暗さが丁度いいんだよな。
「……あっ! データ……消えた……」
いつものように陰気くさい部屋でパソコンを弄っていると何故かパソコンのデータが消去された。
何故だ? と、不審に思いながらもデータのバックアップがなかったかどうか探る。
「げっ! マジかよ……バックアップしたはずのデータまで消えてる……」
そう呟いた瞬間、パソコンの画面が真っ白の……空白の世界へと飛んでいった。
俺は心の中で、“あぁ……ハッキングの対象になったのか……”と思っていた。

実際、俺が狙われる必要なんか一つもないのだ。
ただ、俺の従兄弟が“そういう仕事”をしているから、俺にも被害が来る。
いつもなら従兄弟の兄ちゃんが守ってくれるのに今日に限っては守ってくれなかった。
俺は使い物にならなくなったパソコンをシャットダウンしてベッドのうえに寝転んだ。
パソコンの光に慣れてしまっている目にとって暗闇は本当に何もない真っ暗な無の世界のように感じる。
そう思うのは普通だろうが今日は、いつもとは違う……不思議な感じがした。
胸騒ぎ……みたいな……ぞわっ、とした感覚が今俺の中でしている。
俺は急に……従兄弟の兄ちゃんの事を心配し始めた。

 *****
「はっ……はっ……くそっ……しくじったか……」
一人の男が闇夜に紛れ、小さな声を出す。
その声は微かに震えていた。
「大丈夫か? これ位の傷だったら隠す事は出来るけど……」
もう一人いたのか。
もう一人の男が心配そうに伝える。
だが、小さな声を出したほうの男は、「いや、いらない」と言って断った。
「俺がしくじったのは……従兄弟……従兄弟の弟に……被害がいったことだ……」
その男は悔やむ様に呟いた。