ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: A:ノコ:HOLIC ( No.7 )
- 日時: 2011/04/10 22:45
- 名前: けろ (ID: eahZ4LLD)
:3
昼休み
あの子は私が何か言う前に何処かへ行ってしまった
きっと茶穂のとこなのだろうが、私は空と一緒に売店に行く約束をしてしまったのでそちらを優先した
私があの子を思っているのを私は認識している
しかし、周りに「仲が良い」まではいいが「付き合ってる・好き」などそういう噂をしてほしくなかった
そのせいで気まずくなったりしたら嫌だから
だから時にはあの子から離れて空や恋香達を使ってごまかすような事をする事もあった
他クラスに行き空を呼ぶ
「そらー?」
だが空の姿は見えない
「木下なら売店行ったよぉ?」
教室で弁当を食べていた女子が教えてくれる
どうやら約束を忘れてしまって一人でいったようだ
「あ、どもー」
私はそういって売店へ行く
ちょっと遠回りして行こうかと考えた
あんまり早く行くと売店は混んでいるのだ
人混みにいると頭が痛くなる。特に売店の混みは話し声から、お金が落ちる音から、買った途端袋を破る音からすさまじい
旧校舎をまわっていったらちょうどだろう
そう思って旧校舎をまわる
お気に入りの蛙の顔をした財布を持ち、るんるんと軽快に歩いてみる
「ねぇ、リクって好きな人いるのかな?」
そんな声が聞こえてきた
恋香の声だ
そこは美術室。こっそりドアに隠れてみた
やはり私も女子。ガールズトークは苦手でもこういうのは聞いておきたい
あの子じゃなくとも。あの子の関係ならより
「…恋香は俺のこと好きなわけ?」
「え…あ…いや。いるのかなぁーって。やっぱゆっこかな?」
思わず財布が手から滑り落ちる
ぼふっと音がした
…沈黙。
私は身を縮めて息をとめる。財布はそのまま
黒い廊下の床で緑色のその顔が笑っている
ここは死角となっているし、旧校舎は音が反響しやすい
きっと遠くの方だと思ってくれたのだろう
話は続行する。残念ながらもう様子は伺えない
音声だけでお楽しみください
「なわけないじゃん。あいつは”友達”だよ。俺は好きな奴はいないけど…」
そこであの子は口ごもる
友達?トモダチ??と…もだ…ち?私は友達?友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達友達
親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも親友でも
シンユウでもないトモダチしんゆうでもないともだちしんゆうでもないトモダチ
私は内心ショックでそこに固まっていた
思考がそれだけで埋まる
「いないけど?」
恋香がオウム返しに尋ねる
「茶穂は”親友”だと思ってるから」
茶穂?親友??
さほはしんゆう?しんゆう?
さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほは??さほはしんゆう。さほはしんゆう。さほは…しんゆう
聞かなきゃ良かったと後悔した
ますますあの病弱女が嫌いになった
「そう。ねぇ、一緒に昼食食べない?」
恋香が何もなかったように言う
「ごめん。茶穂待ってると思うから屋上行くわ」
そういってあの子は出ていった
親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達親友友達
サホはシンユウ
ワタシはトモダチ
私の思考はまだ壊れていた
あんな病弱女に劣ることが悔しくて、劣っている自分自信が嫌だった