ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: artificial flowers「夢の夢」 ( No.10 )
- 日時: 2011/04/16 10:26
- 名前: 玖龍 ◆7iyjK8Ih4Y (ID: ZTrajYO1)
- 参照: うわ、1100字書いた。。
#4
目が覚めた部屋は、知らない部屋だった。ドアには鍵がかかっている。……何これ、脱ゲー?レッツ脱出!!的な?
まぁ、部屋ではない。眠ってもない。多分。冗談ってことで、スルーしてください。
…冗談言っている暇があるかァ!!
ちょ、ここドコ?てか…ここ…やばいだろ…。
私は、立ち上がってきょろきょろと辺りを見回した。
…まっかっか…。ちょっと触ってみると、べとりと紅い液体がついた。もしかして、全部、血、とか?
うひょー!!…じゃなくて。まずいだろこれ!!
私の小説ワールドみたいになってる!?
そう、言葉どおり。
小説ワールドだったんだ。全部、血。血。所々黒ずんだ肉っぽいものが。
まさか、人じゃないよね…?
まさか、が全部当たるとは、誰も思ってもみないだろう。肉のほかにも、頭蓋骨、骨、死体、血、色々。
うわ、何このグロワールド…。
腹からこみ上げてくる吐き気を押し殺して、少し遠くにあった頭蓋骨を手にとって見た。
肉がまだ少しついていた。
「うっわ…」
私は頭蓋骨を、ボールのように蹴り飛ばした。
…こんなことしている場合ではないのだが。
私が立ちすくんでいると、ぴちゃぴちゃと血の上を歩く音が聞こえた。
よかった、人が居るんだ。
…と、思ったが、それは人ではなかった。
いや、人なのだろう。だけど、人には思えない。認めたくない。
「あら、お客様?…久しぶりのお人形。美味しそうね?」
ああ、こいつも私も駄目だ。狂ってる。
おいしそうって…。
まさか、この死体とかって、全部この人が食べたのかな?
ここにきた人間から肉を剥ぎ取って…。
じゃあ、私、食べられるの?
「強烈カニバ…」
呟いてみたが、すぐに吐き気が戻ってきた。まずいぞ、これはすごくまずい状況ではないか。死ぬぞ、誤ったら。
どうしよう…。
「…貴方、逃げないのね」
「え?」
まさかの言葉。
そうかぁ、逃げればよかったんだよ。考えないで。
私って…馬鹿…。
それでも私は逃げ出さなかった。
「珍しい。気に入ったわ。食べるのは止めね」
やっぱり食べようとしていたんだ。
うわ、この人怖い。
怖いどころじゃない。気に入られた。死ぬ。死ぬから、うん。
「ついてきてくれる?面白いものがあるの」
結局この一言に乗せられて、ついていってしまった。
心のどこかで、気になるんだろう。この子が。この世界が。
ここは地球ではない、異次元と考えたほうがいいだろう。
よし、この世界を、「強烈グロワールド」と名づけよう。
あれ、何で私此処にいるんだ?
肝心なことを忘れていた。それに、この子は?
見たところ、私と同じくらいに見えるけど…。どうやってきたんだろう?
今は解決できるものはないので、あきらめて、歩き続けた。
この世界は、狂う。
私も、あの子も。