ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Black Fox:48 ( No.19 )
日時: 2011/04/22 21:50
名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
参照: この物語では色々事実との相違があります。




 AM.2:14


「イワン、てめえ遅かったじゃねえか。」
真っ黒なバンの後ろ扉から顔を覗かせる男がそう言い放った。

「政治家が騒いで面倒だった。 さっさと運ぶぞ
イワンは冷静に返事をすると、政治家を連れてゆっくりとバンに乗り込む。
他のメンバーも次々に乗り込み、最後に残ったのはヴィクトルだけとなった。
悲鳴が反響していた店内とは違い、真っ黒なバンが止まっている路地裏は妙な静けさに包まれている。

「ウィリアム・シャーザンはアメリカで結構重要なポジションについていた政治家だ。 これはアメリカにとって大きなダメージとなる。」
真っ黒なバンの運転手と思われる男が、訝しげな顔でそう言う。
妙な静けさと共に次は気味の悪い寒さが全身を駆け巡る。

「さて、終わりだ。 これで任務を終了する。」
イワンがそう言った瞬間、運転手以外のメンバー全員が一斉に銃を構えた。

















「アメリカで有名な政治家、ウィリアム・シャーザンが誘拐されました。 犯人は以前不明であり、レストランでは顔を見たと思われる民間人全員が殺されているとの事です。 死者は少なくとも40人程で、ガードマンと思われる人の死体も見つかった模様です。 また、裏口から少し離れた場所で銃を持った男の死体も見つかり、以前犯人を捜索中です。」


何故人間は生きるのか。 何の為に生きる?
生まれた瞬間、人間は何を思う? それとも何も思わず、ただただ生まれた事に感謝するだけなのか?
米軍の兵士として、戦いに生涯をささげた男は死んだ。
潜入作戦という重荷を背負い、最後に 死んだ。
銃一つで頭を撃てば死ぬ。 それほど命は安物なのか。
世の中は不憫だ。
そして科学の暴走というのは、大切な命を意図も簡単に消す事が出来る。
世の中は不憫だ。