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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Black Fox:48 ( No.20 )
- 日時: 2011/04/23 17:32
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: 適当にこの作品の絵とか描いてくれる方募集中
第三節 吹雪の中のパラノイア
アメリカ とある部屋にて。
「クソッ! ニコライが死んじまった! ふざけやがって! ハーゲン率いるテロ集団もウィリアムを連れてモスクワに逃げた! どうすりゃいいんだよ!」
50人ほどが入れるスペースの隅っこで机を叩く兵士が居た。
彼の名前はアーロン・ヴィアン。 大して有名でも無い、ごく普通の兵士だ。
ニコライの“数少ない”友人であり、性格も温厚ながら、周りに好かれていた。
「アーロン、一回冷静になれ。 人の死を悔やんでも戻ってくる事なんか無い。 俺たちは前を向くしか無いんだ。」
アーロンを落ち着かせようと、声をかける男の名前はシリングスキー・シャルディ。
特殊工作員として働き、ロシア軍艦への潜入、爆破などを手がけた“有名人”である。
「……ああ、そうだな……クソッ……一人にしてくれ!」
アーロンはリシングスキーを涙潤む目で睨むと、違う部屋に移動する。
妙に足の動きが遅いのは、戦友の死のせいだろうか。
勢い良くドアを開け、壊れそうな勢いでドアを閉めるアーロンの後姿は、とても悲しいものだった。
何か、寂寥感を感じさせる様な。
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