ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Black Fox:48 ( No.26 )
日時: 2011/04/26 20:09
名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
参照: 小説の名言(ねーよ)集とか作りたい

『いいか? 俺たちは争いを無くす為に争いを行っているんだ。 俺達の行動を止める行為は、この世で幾度も行われる争いを増やすだけの行為にすぎない。 戦争はエゴのぶつかり合いだ。 理論を銃に変え、交わる。 人間は今夢を見ている。 争いの耐えない世界は全て夢、幻想だ。 その幻想を俺は消し去る。 幻想を現実にへと変える。 それが達成できるまで、俺は血を流し続ける。 いつまでも、これからも、ずっとだ。』

「……ハーゲン、こんな言葉を残すとはねぇ。 誰が信じるんだろうな。 ……少なくとも、俺は何の理由も無く争いをしている訳じゃない。 争いを止める為の争いを止める為に争い、いいや違う。 ストッパーとして活動しているんだ。 俺だけじゃない。俺以外にも、な。」


「隊長、3Fフロアへの道は此方の方が近いです。 行きましょうか。」
ヴェッフェンがシリングスキーの肩に手を置くと、そう言った。
おもむろに何かの書類を読み始めるシリングスキーの隣で、アルバートは柔らかな笑みを浮かべている。

「ああ……そろそろ、行くか。」






「あと二分。 二分だ。 これ以上の猶予は与えられない…二分で来なかったら先にハーゲンの頭を撃ち抜いて政治家を救出したら通信機でヘリを呼ぶ。 …あとその出血は布とかで止めとけ。多少だが時間は稼げるだろう。 …そもそも“使い捨て”のASUから派遣された兵士の容態など俺にとっちゃどうでもいい事だ。 戦場で一番厄介なのは怪我をした仲間だよ。 気を取られたら仲間は死ぬ。動くのは遅い、苦しみの果てに無理な助けを求め、逝く。 俺の辞書に同情という言葉は無い。あるのは殺戮と逃走と…無慈悲のみだ。」
ベルデットは冷たい言葉を2人に投げかける。
肩から血をポタポタと垂れ流すライギーなど、早く消えれば良いとでも言うような感じの言葉だ。

「……この任務が終わったら、またゆっくり話しましょう。 生きているかどうかですけどね。」
強く握る拳を振らないだけ大人な対応を取ったと思おう。涙潤んだ目を手で拭くと、クリアはあたりを見渡す。
誰も居ない。 リシングスキーの姿以前に、敵兵や、動物の姿も無い。

「…本当に、リシングスキー達は来ないんでしょうか……心配です。」
「黙れ。」