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Re: Black Fox:48 ( No.27 )
日時: 2011/04/28 22:27
名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
参照: 小説のwiki作成中



「悪い。 遅くなった。」
リシングスキーが3Fフロアに到着したものの、相変わらず人の姿は無い。
ベルデット達は何処へ行ったのだろうか?それは分からないが、とにかく任務の遂行を急ぐばかりだ。

「……あれは…ライギー…? ライギー、ライギーじゃないか!?」
ライギーを白眼視していたベルデットとは違い、同じ仲間として親しみをある程度持ったヴェッフェンはやはり反応が異なった。
同じ部隊に所属した同士、何か通じるものがあるのだろうか。


「止血剤……止血剤だ……間に合わないかもしれないが…少しでも延命したいんだ…た…すけ…あ…あ…」
「隊長! 止血剤を!早く!」

「……駄目だ。 彼は助からない。 それでも良いなら、渡す。」
「良いです! 早く!」
既にライギーの出血は深刻極まりない事態となっている。
それを即座に判断し、助かるのは不可能に近いと見たリシングスキーが比較的正しいのだろう。
だが彼は戦場での同情を一切否定する、という男では無い。
人間には必ずしも感情がある。 喜怒哀楽、様々だ。
その喜怒哀楽の中で、悲哀という感情を規制するのは聊か理不尽である。

「ぐっ……ヴェッフェン…俺の……銃……渡す…ぞ…」
「ああ、分かった、分かったぞ。 一緒に生きるぞ。生き残るんだ。」

「……隊長、もう少し待ちましょうか。」
「アルバート、久々に賛同できる事を言ったな、評価してやろう。」