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Re: Black Fox:48 ( No.3 )
日時: 2011/04/18 18:04
名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)


 第一節 タイムトラベル理論



「……えー、これによって…タイムトラベルは理論上現代の科学では可能と提示されているが、実際には絵に書いた餅に近い状態であり、科学者が毎日思考を巡らせてタイムトラベルを可能にしている…という事だ。」
穏やかな声で説明を続ける金髪の男は、目の前の生徒達に慇懃に説明した。
今の西暦は2154年。 空飛ぶ車、レーザー砲、無人ロボット…昔の人間が創造を膨らませ、無理だと知り挫折した“物”が現代では開発されている。

「先生。 タイムトラベルは不可能という事なんですか? 科学者が思考を巡らせて、今も開発の仕方を考えているというのは理解しましたが…可能か不可能かを言うであればどちらなんでしょうか。」
一人の男が、手を挙げてそう言った。
恐らくこの場は勉強中であり、先生が生徒にタイムトラベルについて教鞭を振るっているのだろう。
それにしても狭苦しい教室。 10人ほどの生徒に比例して、1人の先生は狭苦しい教室に倦厭した様子を度々見せる。

「とても良い質問だよ。 タイムトラベルは理論上可能であり、事実上不可能であり、結果としては不可能だ。 これに基づきタイムトラベルは現代の科学では結果として不可能という事が判明している。」
金髪の男は平淡な声でそう説明を続けるも、生徒は既にやる気も無い様子。
何故ならば、この勉強は6時間も続いているからだ。

「…なるほど、良くわかりました。」
「ようし、これで勉強は終了する。 忘れ物に注意して帰る様に、以上。」