ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: Black Fox:48 ( No.4 )
- 日時: 2011/04/19 16:55
- 名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
- 参照: しゅたげおもしろい!
「そろそろ君の人生も終わりに近づいている。 敢然に立ち向かうのはただの愚行に過ぎないと、早く気付けばこの様な事態にはなっていなかったのだよ。」
白いシルクハットを被った、いかにも紳士の様な男は杖を地面に向けた。
「黙れ……私は間違っていない。 正しき選択を選んだ、選んだ、選んだ……」
儚く地面に倒れていたのは金髪の男。
その男の腹部からは、滝の如く血が流れており、苦しそうな顔を浮かべる。
「ふうむ、私の詭弁が理解できないとは、聊か心外だ。 …そろそろ、タイムリミットを近づいてきた様だよ。」
そう言うと男は杖を上にへと引き抜く。
その間にも地面に倒れた男は苦虫を噛む様な顔をして、腹部からの出血も今だ続いている。
「仕込み杖…か。」
男が見たのは、杖の中身。 銀色に光り輝く剣であった。
ついに悟ったのか、銀色に光り輝く剣から目を逸らし、紳士の様な服装をした男の足元を睨む。
「汚らわしい。 二度と帰ってくるんじゃないぞ。」
その言葉の後に、腹部からの出血は増した。
地面には赤い水溜りが出来ており、見る者を絶句させる。
「神の考えは完全なる客観論。 全ては神の定めによって決まる。 シェヴァロド……シェヴァロド……」
第一節 タイムトラベル理論・続
「あの有名な俳優、エドワード・レーヴェンが違法カジノで逮捕か… 世も末だ。」
子供達が笑顔で走り回る公園の隅っこに設けられたベンチに座り、新聞を読み耽る男が一人。
公園の雰囲気からしてその姿は極めて不思議であり、新聞を読むが為に公園にわざわざ足を運んだのかと疑ってしまう程だ。
しかしこの男、新聞を読む場所に理由など必要ないと考えており、戦場でも雪山でも火山口でも新聞を読む意気込みである。
周りの人は、せっかく遊びに時間を使う公共の場で、わざわざ新聞を買い読む精神が理解できないらしい。
だがしかしこの男、冷たい視線などまったく気にせず、ひたすら新聞を読むのである。
そして、まず気になるのは新聞を買った場所。
近くには新聞が置いてある一つの店がある。
しかしこの男はそれを無視して、5km離れた遠くの店においてある同じ新聞を買ったのだ。
その証拠に、新聞には店の印鑑の跡が残っている。
「最近の新聞もつまらないな。 もっと堅苦しい文章をやめて子供にでも分かりやすい文章に変えたらどうなんだ。私にも理解できないよ、新聞社の理念は。」