ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: Black Fox:48 ( No.6 )
日時: 2011/04/20 18:52
名前: X4 ◆DnM7GZ7i7Q (ID: BL8fZ.Pl)
参照: この物語では色々事実との相違があります。



第二節 何故人間は生きるのか。




「…テロリスト、ハーゲン・ライヴァーはロシアのサンクトペテルブルクに逃走した。 我らアメリカ軍にとっては、倦厭している国に逃げられるというのは非常に不都合なものだ。 これにより、潜入作戦を練ろうと考えている。」
密室でそう説明を着々と進めるアドルフ・ヴァンレーゲン大佐。
アメリカとロシアはまさに水と油の様な関係で、協力をした事は歴史上一度も無い。
そして政治的観点で見ると、ロシアが勝っており、経済的観点で見るならばアメリカが勝っている。
二つの国を色々な物で競うならば結果上プラスマイナスゼロに等しい。
第二次世界大戦を踏まえ、ロシアとアメリカの関係はますます犬猿の仲である。
そして今、第三次大戦から十年後過ぎている時だ。ロシア側はアメリカに対して報復しようと思っていても過言ではない。
そしてロシア出身のテロリスト ハーゲン・ライヴァーがサンクトペテルブルクに逃走した今、やるのは潜入しか無いのだろう。

少し安易な考えだが、アメリカがロシアに総攻撃をしたとする。
しかし世界トップの軍事力を誇るロシアに総攻撃をしようが毒ガスを使おうが集中爆撃しようが結局負けるのはアメリカだ。
ロシアは他国との友好関係を大事にし、一度啖呵を切った相手なら喜んで殺戮に溺れる。
集中爆撃、集中砲火、集中攻撃、細菌兵器…どれを使ってでも、科学力軍事力においてトップを誇るロシアはびくともしないのだろう。

「アドルフ大佐。 問題は潜入する兵士です。 …一体誰を選ぶと仰るのです?」
一人の兵士がゆっくりと手を挙げ、説明を進める大佐に一つの質問をした。

「やはりその質問は来ると思った。 スパイとして行動するのはニコライ・アンダーソン。君に任せるぞ。」
大佐が質問に返事をし、指を指したのは茶髪の男だった。

「ニコライ? …う、うぅむ。 それで、いい、と、思いま、す。」
質問した兵士が所々声を詰まらせながら、嫌々そうに認める。

「じゃあ決定だ。 ニコライ・アンダーソン。 ロシアに向かえ。 もちろん英語は慎めよ?」

「…了解しました。」