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Re: 殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜 ( No.103 )
日時: 2011/08/24 09:25
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)

第7章  壊れた村で


「さて、これからどうする?」

 雅の問いに、答えられない。行く果てもないし、やることも無い。どうしようもない。

「こ、この村の探検でもする?」

「うーん……やること無いしね」

 探検って言っても、こんな小さな村野中をぐるぐる回ってもつまらない。

「ヤッホー!」

 見知らぬ男子に「ヤッホー!」って、言われた。新手の不審者か?逃げた方が良さそう。

「私、さっきの草むらに、逃げるから!」

「何で?普通の中学生じゃん」

「新手の不審者だよっ!じゃあね、雅!」

 秋穂は、新手の不審者から逃げ出した。

                                      ☆


「……秋穂……」

 どうしよう。追い掛けるか?さっき話しかけてきた人と話すか?走りたくないから、後者で。

「そこのお前!引っ越してきたのか?」

「ううん。ちがうよ。」

 初対面なのに、『お前』って………。

「はじめまして。僕は、雅。きみ、なんていうの?」

 普通に自己紹介して、普通に名前を聞いたはず。だったが———

「騙されないぞ?」

「え?」

「俺の名前を使って、『シャキーン』とか、するんだろ!?」

「………」

 『借金』なんて、しない。

「ハハハ!未成年は、借金できないんだよな?俺、疾風(ハヤテ)。」

 出会ってから、名乗るのが遅い。警戒心強いんだね。

「所で、さっき逃げていったチビは?」

「秋穂のこと?あんまり身長差、無いけど?」

「なに言ってんだよ!俺の身長は、155センチだ!」

 秋穂の差は、4センチくらいだね。まあ、何をなんと言おうが、僕の方が身長高い。

「村の入り口付近の、草むら?」

「え!?あそこは、危ないぞ!今すぐ捜しに行かないとだっ!」

「え!?何が危ないの!?なんか、獣が出るとか……?」

 疾風の表情が、曇る。

「あの場所は———あの場所は———俺が作った落とし穴がたくさんある」

「……じゃあ、捜さなくていいとおもう。秋穂は、サバイバルが、大好きだし」

「一生懸命作った落とし穴なんだ!全部壊されたら、困る!」

 僕は、魔界で出来た最初の友達は、タダの馬鹿だと知りました。まる。