ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜 ( No.139 )
- 日時: 2011/08/09 10:50
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
- 参照: 小説大会、参加しているのでどんどん投票入れてね!
いや……え? え? 魔界に落ちてたって? この子も? しまった。完全にパニックだ。落ち着け、落ち着くのよ、自分。そうだ、深呼吸っ。
「おーい、死神は多分全部倒したぞー」
屋根の上からアカギの声がする。落ち着け、屋根の上なんて、登れるわけが無いんだ。あ、でも、登れる奴も居るんだっけ?おおおお、落ち着け、自分。
「あ、アカギ。そんなとこに突っ立ってないで、早くこっちに来てくださいよー」
あれ?ツグミって、私だけを『さん』つけてで呼んでいるのか。いやいや、そんなことは、どうだっていい。落ち着けー。
「ええと。ど、どうやって魔界にきたの?」
やっと落ち着いたので、団子頭に聞いてみた。
「えー? 全く知らない不審者に、簡単に教えるわけ無いじゃーん。教えて欲しかったら、300円、払え!」
こいつ、金目当てか。しかも、不審者扱いされたし。300円も渡すものか。ジュース、2本は買える値段だ。
「私も、それは気になります。どうやってきたんですか?」
ツグミは、普通にお金を渡した。しかし、何円渡したのか不明。なぜなら全て1円玉だったから。
「えっと、1,2,3,4……」
地道に数え始めた団子頭。なんだか可哀そう。
「もう、何円でもいいや。で、私がここに落ちた理由でしょ?学校に行く途中に、空間に歪みが出来て、それを見てたら、ここにいた」
あまり、意味がわからない。説明が、見事にヘタクソだ。まあ、何もわからないわけではないけれど。
「そうですか。それは、独りで落ちたんですか?」
「いや、もう一人一緒に」
ツグミが何かつぶやいた。聞き取れないくらいの声で。
「その、もう一人の人は、どこにいるんですか?」
「ああ、着いてきて」
その団子頭の子に案内されてたどり着いたのは、ひとつの家だった。
「イエーい! 奇跡的に生還した、秋穂が戻ったよー!」
そういいながら、入り口で転ぶ団子頭。なぜ、掃除機と電子レンジが入り口に?
「あ、秋穂。生きてたんだね。良かったよ」
家の中には、2人ほど男子居座っていた。
一人は、笑顔で秋穂を迎え、もう一人は、とんびと遊んでいる。
ふと、気になった。
「ねえ、アカギ。リーフは?」
「あ。いないな。どっかで遊んでるんだろ」
急にとんびと遊んでいた男子が、アカギをガン見した。
「アカギ……! 久しぶりじゃないか!」
「あ、疾風か? 久しぶり!」
よく知らないが、知り合いのようだ。