ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜 オリキャラ募集中! ( No.197 )
- 日時: 2011/09/11 08:32
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel2/index.cgi?mode
『おめでとう、るっちゃん。るっちゃんの能力は、『影』だよ』
かげ。影。驚愕のあまり、言葉を失う。だって、魔王になれるんでしょう? この能力を持つ者の確率が低いんでしょう?
「うわー何でだよ。スゲームカツクー。死ねよ、お前」
「何でよ。アカギ、なんか野望でも有るの?」
あれよ。ケンカしてるクラスメイトのケンカの仲裁をした学級委員が、八つ当たりされてる気分よ。まあ、学級委員なったこと無いけど。そもそも、記憶が無い。
「もちろん。魔王になって、親父を見つけて———殺す」
「アカギ。親父さんのことは、気の毒でしたけど…その話はしないでください」
嫌な空気が流れる。気になるけど聞いてはならない話みたいだ。殺したいほど怨むってこと、あまり無いと思うし、聞く勇気が無い。
誰も何も言えず、沈黙が続く。一番何とか出来そうなツグミにいたっては、お得意のフリーズを始めている。自分でこんな空気にしたくせに。
「そろそろお昼だよ〜」
リーフが沈黙を破ったのにさらに沈黙。ダメだ、私が何かを言わなきゃ。
「船酔い集団に食事できるか聞いてくるわ。ついでにあいつらの能力知りたいからドルイド紙貸して」
「あ、はい。どうぞ」
ツグミからドルイド紙を受け取った後、残された4人の間に沈黙が続いた。
あの悪い空気の中から、逃れられて良かった。あんな空気が続いたら、窒息死できそうだ。
秋穂と疾風とロイズのいる部屋の戸を開けた。が、扉が開かない。押す式のドアで、部屋の中の何かがつっかえて、開かないのだ。
「ドアが開かないんだけどー?」
応答なし。
「ねえ! ドアが開かないんだけど!?」
応答なし。
「中にいるんでしょう!? 開け————」
「うっっせぇよ!」
こんな不良の様な言い方をするのは、疾風か? と、思ったが、声的に秋穂っぽい。
「こちとら船酔いで気分が相当悪いんだよ!」
もうどうでもいい。無理やりドアを押した。
「ぎゃっ」
ドアの前に転がっていた秋穂が、ドアを開ける衝撃でとばされた。
「ドアの前に転がるのが悪いわ」
「酷い。病人なのに…」
部屋の奥の机の下に疾風が転がっていて、ベッドの上にロイズが転がっていた。
「調子はどう?」
「ああ、チーカマと裂きイカを買ってきてくれたら、よくなりそうだ…」
オッサン臭いな、疾風。
「酒をくれェ」
その上を行くオッサンな秋穂。第一、お前は未成年だ。
「キムチ鍋……」
「韓国人みたいね、ロイズ。まあいいか。酒と裂きイカとキムチは、(売ってたら)買ってきてあげるから、ちょっとこの紙を強く握ってみて」
そういって3人にドルイド紙を渡した。
「あ、ドルイド紙でしょ、これ。確かに僕も秋穂とか疾風の能力は知りたいね」
何も知らずに秋穂は、紙を握った。
「わぁ、なにこれ?」