ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜 オリキャラ募集中! ( No.204 )
- 日時: 2011/10/02 16:38
- 名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)
第10章 この船の逝き先は
映像が見えたのはそこまでで、途中で途切れた。男子生徒が誰なのか、なんて言おうとしたのか、わからない。
「もう、残り僅かだよ。早く『祟り』をとかないと、死んじゃうよ、ルキア」
「……それが、あんたの望みなんでしょう…」
もういやだ。昔の私のことなんて知りたくない……。おかしくなりそうだから……。
「確かに私は、『祟り』で死んでいくルキアが見たいけど、もう一人の私がそれを望んでくれないから、『祟り』をとく事に協力するしか……————」
突然、リーフがその場に倒れた。
「ど、どうしたの?」
倒れたリーフの肩を揺する。リーフから血が流れ出た。
「リーフ……そんな…嘘でしょ?」
リーフの背後で、血のついた鎌を持った深緑色の髪の女性が微笑んでいた。
「ごめーん。邪魔だから刺しちゃった♪」
血が。血が止まらない。リーフは、ピクリとも動かない。身体がだんだん冷たくなってくる…。
「ねえ! 動いてよ! 返事してよ! 死んだフリなんてやめてよ!」
動かなかったリーフが、閉じていた目を開いた。
「ル、キア…はは……私、とした事が、後ろからくる死神に気付けないなんて。…このまま死ぬのか…な」
「リーフ…死なないで!」
「は……バカね、ルキア。身体はひとつでも、この中には、2人居るんだよ? そのひとつが……ニセモノの私が壊れるだけ、なんだから…。たたりでせいいっぱいくるしんで、しんでいって…ね」
最期に残す言葉にストレスを感じながらも深緑色の髪の死神をにらんだ。ただ、死んだリーフと私を眺めて微笑んでいた。本当に死神は、嫌なやつだ。まあ、いい死神なんて居たら、戦争は起きてなかったのだろうけど。
そっとリーフの死体を置いて、立ち上がった。魔力で、鉈を作り出す。
「リーフを殺したお前を許さない。仇を討ってやる」
「へェ、友達思いの悪魔も居るんだー。あ、あたしは戦うの面倒だからやんないよー♪ 代わりにこいつ…テラと戦いな」
深緑の髪の女性の後ろから、他の死神が出てきた。灰色の髪に、海色の目の大体同じ年だと思われる少年。ついでに言うと、女顔だ。
「悪魔を殺せるのは、久しぶりだな。いたぶって殺してやるよ
「だまれ、女顔。お前に用は無いわ。私はリーフの仇を討つんだから」
「誰が女顔だぁぁぁ!」
この、テラとか言うやつを倒さないと、後ろに居る女性に、手を出せないっぽい。仕方ない……こいつを殺そう。そう考えているうちに、テラが目の前まで来ていた。あ、ヤバイ、死ぬ……!
「……!? なっ、んだ!?何も見えない…」
「え…」
テラには、目の前に居る私が見えなくなったようだ。確かに、何とかなれ! と、念じたけど……何が起こったんだろう…。
「あんたの能力『影』なんだ……」
急にテラの後ろに居た深緑の髪の女性が話しかけてきた。
そうか、私の『影』の能力で、こいつは何も見えなくなっているのか。すごい。
「オイ、レオナ! どうにかしろ! 何も見えないんだ!」
「いやいや、知らんよ。戦いごと面倒だし」
「そんな理由で仲間を見捨てるのか、お前は」
「あたし、テラを仲間だと思ったこと無かったからさぁ」
なにやら口論を始める死神たち。チャンスだ。
「死ね、女顔男!」
左肩から、右わき腹に掛けて思いっきり切った。
「ぐっ……」
とどめは、刺さなくていいか…。ちらっと、レオナと呼ばれていた女性の居る方に目線を向けた。い、居ない!?
「こっちこっち」
右肩に強い痛みが走る。
「っ…」
「あんた、若い癖に結構強いみたいだからさ、今の内に殺しといてあげるよ」