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Re: オリキャラ募集中!  殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜  ( No.210 )
日時: 2011/10/08 17:18
名前: クリスタル (ID: RIMOjgnX)



 肩に炎がついたのかと思わせるほど赤い。肩が焼けるように痛い。これは流石にヤバイ。『祟り』で死ぬより先に死神に殺される。

「痛……」

 そのうち大量出血で死ぬと思ってたテラが立ち上がった。

「つめが甘いんだよ、悪魔が。俺を半死にまで追い込みやがって……嬲り殺してやる」

 あー出血が止まらない。あー嬲られる。あー…じゃねーよ、私! どうするのか考えろ! 


 せめてたったの3つでも考えろ! 3つのパターンを考えろ! 
Aパターン:逃げて、ツグミたちに助けてもらう。
Bパターン:死んだフリとか?
Cパターン:最期まで足掻き続けるとか……
 こんな時、自分の判断力の無さに悲しくなります。

「テラって、そんなになってもドS精神を突き通すんだ……」

 Bパターン、実行。

「……オイ、悪魔? 死んだふりかよ?」

 流石にだめか。もうばれたか。

「チッ、つまんねぇ。死んじまったよ、レオナ」

「え? 死んだ…? もしかして肩じゃなくて、首切った?」

「おいおい、俺が嬲り殺そうと考えてたのに、何てことを…」

 嘘だ。一番駄目そうなBパターンが、成功するなんて。世界って分からない事が多いね。ルキアは少し成長した。

「あ、テラ。忘れ物してる」

「ああ、魂を刈り取るの忘れてたな。俺は黒髪の悪魔の魂を取っておくから、レオナは薄緑のやつ、頼んだ」

 予想外の展開。そういえば死神は、魂を駆るもので『ソウルイーター』って呼ばれたりするんだ。読者は少し成長した。

 ああ、リーフの死体に向けて、レオナの鎌が振り下ろされる。そして、私にも振り下ろされる…このまま楽に死ぬか、Cパターンを実行するか……。判断力の無い私の判断……。







 Cパターン、実行。

「……!?」

「悪魔をなめるなぁぁ!」

 「ヒュンッ」と、風を切る音をさせてテラの首を狙ってそのまま一息に鉈を振る。

 「カツンッ」という音がして、レオナの鎌がしっかり私の鉈を防ぐ。

「死んだふりして何してるのかと思えば、そう来るなんてね…」

「は…? 死んでなかったのか!?」

 私とレオナは今、同じことを考えたに違いない。「こいつ、相当バカだ」と。しかも女性に助けられちゃうなんて、格好悪い。

「まあ、戦う気になっても無駄なことよ」

 見えないほど素早く鎌を振るレオナ。両手首を切り付けられた。

「…っ」

 いじめ受けてないのにリストカット。痛みで、鉈を落としてしまった。

「はあ、争いごと嫌いなんだけどなー。付き添いの死神が弱くてまいっちゃうわぁ」

「………………」

 Aパターン、実行するにも逃げ場が無い。それにリーフの死体を置いて逃げようとは思わない。

「じゃあね、悪魔」

 突然、目の前を緑色のものが横切る。よく見ると、それは植物のツタだった。

「はぁ…はぁ…何してるの、ルキア。それくらい『影』の力で何とかしなさいよ…」

「リーフ…!?」

 とっくに死んだと思っていた…生きてたんだ…。じゃあ「リーフの死体」の所を「ぼろぼろリーフ」に変えて読み返してみてください。と言っても、「リーフの死体」と言う単語が出てくるのは3回程度だけど。

「それが…能力の使い方が良く分からなくて……。だってホラ、『影』なんて操る物じゃないでしょう? 物体が光に当たると出てくるものだし」

「念じなさい! 『死神死ね』とか、『影出て来い』って!」

 出て来いって念じて出てくるのか……テレビだってボタンひとつ無い起動しない時代に。盲導犬だって命令しないと動かない時代に。まあ、勝手に動いてくれる犬も居るけど。えーと…『影出て来い』!

 すうっと、もう一人の自分が現れた。ドドド、ドッペルゲンガー! そして、本物の私の姿は、誰にも見えなくなったようだ。

 どうしてそれが分かるかって? よくわからないけど、そう思ったから。

「ルキア? 私の話し、聞いてるの? 能力使ってみなさいよ!」

 今、現在進行形で能力使ってるの「死ねぇェェェェええええ!」

 リーフのツタが断ち切られ、死神と私達の壁が無くなる。

「さっきは見事に邪魔してくれたね、死体モドキ」

「誰が死体モドキよ? 簡単にくたばんないよ」