ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.63 )
- 日時: 2011/07/17 06:30
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
☆
子供のように泣き喚いて、どれほどの時間が経ったのだろう。
「あなたが泣いていた時間、5分34秒」
ずっと、私が泣いてる間にそばにいたのは、ここではじめてあった女性。
「……わざわざ数えてたの?暇人が」
「あんたにここのことについて教える以外の仕事が無いの。地獄の門番は、もう一人の番人に任せてあるし」
「地獄?ここが?」
この、真夜中みたいにくらい世界は、地獄だというのか?ふーざけんなよ。そんな世界が有るはずも無い。夢だ。夢。
「そう。この地獄には、悪魔や、鬼や、死神などが住んでるわ。私は、この地獄の悪魔界の門番」
「へんなこと、言わないでよ。私、信じないわよ?これは夢!夢だから!」
全く覚めないこの夢に、本当に終わりはあるのか?私には、確かめるすべも無い。
「…あなたがこれを夢だといい続けても、そのうちわかるわよ。これが現実だって」
「これは夢よ!こんな事、ありえないもの!そういえば、あなたは誰なの?」
ずっと名前を聞いてなかった。この人、誰だし。
「私の名前は、ウラヌス。……そろそろあなたも名前を授からなきゃ。何も言わずに目を閉じて」
何も言わずに目を閉じた。どこからか、声がした。
「ヘイ!地獄にようこそ!」
誰だ、無駄にノリノリのこの声の主は。
「きみには、僕の名前をあげよう」
「なに言ってるんだ?俺の名前を授ける!」
男性の声。ちょっと待て。私、女ですよ?
「私の名前を授けます」
「いいえ、わたしが!」
何人居るんだ。試しに目を開けた。謎の声が聞こえなくなる。
「目を閉じなさい!名前、もらえないわよ!?」
「ウラヌスさん、誰の声なんですか?あれ」
「死んだ悪魔達の声。人から悪魔となった者には、死んだ悪魔の霊が自分の名前をくれるのよ。」
なにそれ、ビミョーに怖い。まあいいか。私は、目を閉じた。
「私の名前をもらえ!」
命令された。なんかウザい。
「いや、僕の名前を……!」
いや、私は女性です。男性の名前とか、要らないし。こんな美人な顔で、よしおとか、たこ介って名前だったらおかしいでしょ。
「何を言ってる?ザコどもが。この新人悪魔は、私の転生後の姿。私の名前を授けるのだ。新人悪魔、そなたの名は、『ルキア』だ。私は、再び、この世の『魔王』となる」
なんだ、このえらそうな霊。暫く、悪魔の霊の声が途絶えた。じゃあ、『ルキア』で決定?
「名前は決まった?」
ウラヌスに名前を聞かれた。「多分ルキアだ」と答えると、表情が変わった。
「ルキア様!?また、この地に復活されるの!?」
誰だよ、ルキアって。
続。