ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.64 )
- 日時: 2011/06/04 22:48
- 名前: クリスタル (ID: 84hRb0Yz)
「ルキアって誰?」
私の問いにウラヌスは、無回答だった。
「あなたに教える必要は無い。今、あなたにルキア様の魂が宿って、闇の支配者が復活するのよ」
もう、教えちゃってる。教える必要も、教えない必要もなかったのだろうか。
ふと、寒気がして、後ろを振り向いた。影の塊の様なものがこちらへ接近してくる。ピンポン玉サイズ。
「フフ。私は、300年のときを経て、今、この世に復活する!」
なんか、かっこいい事を言い出す影の塊、すごい勢いで自分へと近づく影の塊。私の目の前で急停止した、影の塊。焦り、うろたえる影の塊。
ちょっと可愛いな。
と、思ってる自分は、誰よりも変。『メタモルフォーゼ』というドイツ語があって、変化、変身、さらに変態という意味があるが、まさに自分がそれ。いや、ほかにも変容・変身・転生という意味があるらしいが。
「!?こいつ……祟られている!私が復活できない!」
え。私が祟られてる?
「この祟りは、自身の寿命を削ってゆくものか……。ならば仕方が無い。また、他の依り代を見つければよいか…」
消えていく、影の塊。ハエを叩き潰すくらい簡単に消えて行った。最後に、捨て台詞。
「時期にお前は、命を落とすだろう。『ルキア』の名前は、お前に授けよう。すぐに死ぬのだからな!すぐに死ぬのだからな!大切な事なので、2回言いました〜」
うわっ。登場から退場までウザい!
それに、私が死ぬって、どうゆうこと?まあいいか。(いいのか?)
☆
さっきまで黙り込んでいたウラヌスが、やっと口を開いた。
「えっと……ル、ルキアさ…ま…」
「何で様付けなの?気持ち悪い。ルキアでいいわよ」
私の名前が『ルキア』で確定なら。
「あのね、偉大なるキア様の名を『よう!ルキア!』ぐらいのノリで呼べるようなもんじゃないのよ。わかるぅ〜?わかんないだろうなぁ〜。わかんないよねぇ〜」
うぜぇ。わかるわ!……けがない。しかも、もう、『よう!ルキア!』って言ってるし。ウラヌスがウザキャラになってきた。
「さて、とりあえず人間のころの自分の年は、わかるぅ〜?わかんないだろうなぁ〜わかんな——」
「14歳前後だったと思うわ。あと、ウラヌスさん、ウザい!キモい!」
「なんとでも言え!心が傷付き、へし折れ、もう立ち直れないほどに!……って、言ってる人が居たから、マネしてみたわ」
そうですか。そんなにみごとなドMがいるんだね。会いたくは無いけれど。
ウラヌスが、爆発発言をした。
「じゃあ、計算したら〜……387歳?」
!!?
「三百!?その歳はありえないわよ!ふざけすぎよ!」
驚き、戸惑う私にウラヌスが言った。
「なーに言ってんのよ?私だって、409歳よ?……もしかして、人間の年齢と比べてる?」
「私、人だし……」
ほかに何と比べる?
「もう、あなたは正式な悪魔よ。悪魔は、3000年くらい生きるわ。あなたは歳もわかったし、名前ももらった。後は、魔法を使いこなせればいい。もう、立派な悪魔よ!」
悪魔の寿命、長いのね。
「悪魔じゃないわ。私は人間で、これは夢!それにしても複雑な話から、ドリーミングなお話になったわね。何、魔法って?」
この地獄の涼しい風とか、さっきの泉の冷たさとか、妙にリアルだったけど、これは夢!
「あなたがこれを夢だと言い切っても別にいいわ。信じるか信じないかは、あなた次第です!」
やっぱりウザい。ウラヌスは、続けた。
「それで、この魔界の下に存在する地獄では、魔法が使えないと死ぬわよ。地獄から、地上へ行く事もたくさん有るだろうし。まず、魔界に魔法の使えない小学生はいないわ。」
つまり、ここは魔界?
魔法の使えない小学生は居ない。=小学生だって魔法は使える?=魔法を使えない大人は居ない。
と、言う事か?