ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.69 )
- 日時: 2011/08/24 09:09
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
第4章 決戦、死神
私が目を覚ますと、いつもののどかな風景。
やさしい朝の日差し、外から聞こえる小鳥のさえずり、お母さんが私を呼ぶ声、テレビの音……なーんてものはひとつも無い。
そこに存在するのは、ランプの光、寝袋、見知らぬ少女の三点セットが揃ったテントの中の風景だ。
地獄の新入り悪魔の私に寝床なんて無いので、テント。せめて小鳥のさえずりくらいは、聞こえてもいいはずだ。
テントと寝袋はいい。隣に寝ている少女が気になる。だれだ、こいつ。
一人用のテントなので、すごく狭い。まあ、自分と同い年か、それ以下くらいの少女が当然のように大の字で隣に寝ているのもあるが。まるで私が勝手に隣で寝ているようだ。
この少女の爽やかな緑色の髪は、どう見ても地球上の生物ではない。そういえば地獄は、魔界の下に存在するとかウラヌスさんが言っていた。ここが地球かどうかも定かではない。
そんなことを考えているうちに、少女が目を覚ました。
「ふぁぁ……。あれ?あなた誰?」
本当に私が勝手にテントに侵入して来たみたいじゃないか。勝手にテントに入ってきて、「あなた誰?」ってなんだ。
「私はルキア。あなたこそ誰よ?」
「私?だれでしょ〜?わっかるっかなぁ?」
殴っていい?ねえ、殴っていい?
「ゴメン。今のは、ウラヌスに「まず、起きたらルキアにやっておけ」って言われた事。」
「今日ウラヌスに会ったら、殺っておいてくれるかしら?」
「それはどうでもいいけど、私はえーと…名前……えーと…」
自分の名前を忘れるなんて、なんてステキな技なんだろう。誰にも出来ないだろう。と、言いたいけれど、自分の本当の名前がわからないルキア387歳(らしい)です。
「ああ、思い出したー。私の名前はー…リーフ・サイクローズカルバンドーレオキシサイドアカギシネシネ——」
「明らかに偽名ね」
しかも、『アカギシネシネ』ってなんだ。よっぽどアカギが嫌いなのか。
「はい、私の名前はリーフです」
「最初から、そういいなさい」
名前が英語で『葉っぱ』って意味だから、地球上なのか!?日本語でお話が通ってるんだし、地球上か。
「地球だよねー…(独り言)」
でも、桜色の髪の女子や、空色の髪の男子がいる世界だし、地球とは思えない。
続。