ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: †殺人鬼少女の罪† ( No.7 )
日時: 2011/08/02 10:57
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)

『これはただの遊び』  プロローグ

お母さん どうしていじめるの?
     どうして殴るの?
     どうして私を殺そうとするの?
そんなお母さん 要らないから 消してやる



第1章  災いの序章

「美月、隣のクラスの鈴木って人が呼んでたよ」

 放課後、親友の七瀬 美香(ななせ みか)が私に言った。

「…鈴木って誰?」

「アハハ! 随分前から美月に一目ぼれしたって言って告白しまくってる人だよ」

「…ああ、あのシツコイ人か…」


 私は、夜空 美月(よぞら みつき)。中学2年生。恵まれた顔で生まれてきたから結構モテる。・・はっきり言ってウザいだけなんだけど。それで、3週間前から私に一目ぼれしたやつが、何度も告白してくる。

 何度も断っているのに、諦めが悪い。

「これで8回目の告白だ〜。鈴木って人、趣味悪いね」

 美香が言った。

「…え? それどうゆう意味?」

「美月のどこがいいのかな〜って」

 かなり失礼だ。

「…とりあえず、鈴木に会いに行くから先に帰ってて」

「うん。また明日〜」


 美香に先に帰ってもらってから気付いた。鈴木がどこにいるか知らない。多分…前も中庭に呼び出されたから、またそこにいるんだろう。

 私は、中庭に向かった。




 中庭には、何度も見たことのあるシツコイあの人がいた。

 はっきり言うと、鈴木はモテない。
 なぜなら——ウザいから、顔がキモイから、シツコイから。他にも理由はあるだろうけど、色んな意味で残念な人だ。


「ああ、夜空さん。やっぱり僕は、君のこと——」

 早速告白しようとする鈴木。

「私は、あんたが嫌いよ! もう諦めて、2度と私の前に現れないで!」

 ちなみに前回、告白されたときは、『気持ち悪くなるから消えて!』と、言った。

 本音ですから。これ。

 私は回れ右して、帰ろうとした。

「…君が付き合ってくれないなら…」

 鈴木がなんか、喚いてる。

「『死んでやる〜』…とか?私は、止めないわよ」

「いや、殺して…僕だけのものになってくれ!」

 鈴木が、ナイフを隠し持っていたようだ。ヤ…病ンデレだ…!

 私は、逃げ出した。

 学校の正門を通らず、柵を超えて、とにかく逃げた。




「…ハァ…ハァ…ここまでくればもう…来ないわね」

 人通りの少ない空き地に逃げ込んでいた。

…あれ? 誰かが走ってくる〜…す、鈴木だーー!

 すぐに逃げようとしたが、ここは、草がかなりボーボーで、逃げにくい。

 しかも、運悪く転んだ。鈴木が近づいてくる……

「さぁ! 僕と付き合ってよ!」

 適当にだまして、警察に駆け込んでやれ。

「…わかった。あなたの熱意に負けたわ。私も、あなたが好きになっちゃったもの」

 真っ赤な嘘である。

「アレだけ拒絶しておいて…!僕をだませると思うな!」

 鈴木がナイフを振り上げた。




続。