ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.70 )
- 日時: 2011/06/19 00:03
- 名前: クリスタル (ID: 84hRb0Yz)
地球だろうが、魔界だろうが関係ない。私は元気に地獄探検に行った。
現在地がどこだか、確認もせずに。
「うーえをむーいてあーるこーおよ。涙がーこぼれーないよーうに。」
こんな感じの歌詞の歌あったけど、涙はこぼれます。上向いても左向いてもこぼれます。つまり、無意味。
「そういえばここ、どこだろう」
昨日自分が立っていた泉が、ここから3キロ離れた南の位置で、さっきのテントが……どこ?
ま……迷った!?確実に迷った!
どうしよう…その辺の人に聞いてみる?って、誰も居ない。ならば、地図と方位磁針を!って、持ってない。なすすべ無し!
とりあえず持っていた白いハンカチを、落ちていた木の枝の先につけて、歩いてみた。
白旗の少女風に。
「全く無意味ーーー!」
一人ボケ&ツッコミ。寂しい。
「誰か居ないのーー!?」
しーん。誰も居ない。
とりあえず、どこかを走っていれば誰かに会えるはずだ。いく果ても無いのにどこかへ走り出してみた。
☆
いつも間にかジャングルを思わせるような森の中。森の風景は、放置されたゴミの入った袋に、何があったのか想像できないほどのゴキブリの大群。気持ち悪い。
本当に何があったらゴキブリの川ができるんだろう。そういえば、地獄にもゴキブリはいるんだね。凄い。
そして、このゴキブリたちはどこへ進んでいるのか。
しかも放置されたゴミ袋って…こんなだから、地球温暖化が進むんだ!
ああ、もう!もう歩けなくなるほど走ってきたのに、誰にも会えなかった。行き着いたのはゴキブリの川。これは、神様が私に「その川に、飛び込んで死ね」って、言っているのだろうか。
「誰か助けてー」
返事は無い。誰も居ない。ここはどこ?私って何?
「どうして誰もいないのよ……」
ここがどこだかわからないし、誰にも「地獄探検してくる!」とは言ってないし、自分が何だかわからない。
完全に神様が「ここで死ね」って、言っている気がする。
じゃあ、死んでやる!
私はゴキブリの川に飛び込んだ。
はずだった。
ゴキブリが綺麗に私を避けて上流から下流へ行進していく。 人がゴキブリを避けるように、ゴキブリが私を避けて、どこかへ向かう。
ゴキブリの川もそうだが、自分の周りをゴキブリが行進している光景は、軽く悪夢。
「あら?そこのあなた…悪魔かしら?」
やっと、人の声が聞こえた。
私は、その人のほうを見てまず、「はい、私は悪魔です」と、答えるよりも先に「ここはどこですか!?」と、聞いた。
「ここ?ここは、ゴキブリの森」
なんともユニークなお名前の地名。地名だけ聞いても、どこだかわからないが。まあいいか。
「私は、悪魔です。あなたは誰ですか?」
異常なほど髪の長い金髪の女性。
「私は、死神。悪魔のあなたを殺させてもらうわ。」
死神?ちょっと待て、殺させてもらうってなんだ!?