ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.72 )
日時: 2011/06/24 17:38
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)

第5章  祟られ悪魔


 ユーラシアさんに段ボール箱に入れられて、ワゴンに乗せられて、ゴキブリの森から帰還。もっとマシな運び方はなかったのか?

 まず最初にウラヌスさんに殴られた。

「痛ぁ〜…何すんのよ!私、ケガ人よ!?」

「何が毛ガ二よ!勝手にどこいってたの!?心配したのよ!」

「け、毛ガニ……?」

 ウラヌスさんは、耳が少し悪いのか?彼女の耳が悪くても私には、関係ないが。

「ウラヌスちゃん、ルキアちゃんはゴキブリ狩りに行ってたのよ」

「行ってません」

 適当なことを言う、ユーラシアさん。ゴキブリなんて狩ってどうするんだか。あ、でも、ゴキブリって食べられるらしい(美味しくは無いらしいが)。良い子は、食べるなよ〜。

「ゴキブリ狩り?ああ、ルキアはゴキブリが好きなの?」

「だから、ゴキブリ狩りなんてして無い……」

 ユーラシアさんの言葉を信じるな。適当に生きている適当悪魔だから。

「ルキアちゃん。ゴキブリは、あまり美味しくないらしいわ。アカギ君が「水ゴキブリ」の入ったチャーハンを食べたらしいの。「ハッピーチャーハン」って言うそうよ?」

 どの辺がハッピー!?てゆーか…ゴキブリを食べたのか、アカギ!

「ああ、ゴキブリを生で食べると身体に悪いらしい。よーく揚げて食べればエビせんみたいで美味しいとか、聞いた事があるわ」

「あら、ウラヌスちゃんは無駄な知識が多いわね」

「そうですか?あと、ゴキブリを撃退するのに一番いいのはドライヤーらしいです」

 私は、何も言わずにその場から逃げ出した。ゴキブリの話を平気でするやつらと一緒に居たくないし。ゴキブリがエビせんみたい?そんな訳無い。信じない。

 それに、ゴキブリの撃退方法で一番は、丸めた新聞紙だ。後始末は大変だが。殺虫剤をかけても、すぐに死なないし。


 そういえば、私に悪魔になる前の記憶は無い。基本的なことは大体覚えている。以外は、だいたい忘れている。

 基本的なこと…たとえば、食事は、箸を使って行う。夏にストーブを着けた部屋にいると、死にそうになる。1+1=2。テレビを投げてはいけない。ちゃぶ台は、ひっくり返していい……など。

 忘れてしまっているのは、食品の味。自分が何者であるか。どんな人間であったか。自分の罪とは何か。

「私、何のために生きているんだろう?」

 存在理由も、名前も、自分の罪もわからないのに、なんとためにいきるのか?

 ウラヌスさんは私が行方不明になったとき、なぜ私を心配していたのか?

 ユーラシアさんが、なぜ死神から私を助けて、ここまで連れてきてくれたのか?

 全くわからないが、自分は必要とされているのか?