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Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 ( No.78 )
日時: 2011/07/04 18:33
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)

 必要とされてようと、どうだろうと、私には関係ない。私は、自分と罪と、人間に戻る方法を探すだけだから。

「あ、ルッちゃーん!」

「ルキアさん!」

 ル、ルッちゃん?

 声のしたほうに注目。ツグミとリーフだ。

「ルッちゃん♪」

「リーフ……私をルッちゃんて、呼ばないでくれない?」

「えっと、ルッちゃんはゴキブリ狩りでもしてたの?」

 話を聞け。してないし。

「見ましたよ〜。段ボール箱につめられて、ワゴンで運ばれているルキアさん。サーカスの練習ですか?」

 あんな羞恥プレイを見られていたのか。

「……別に」

「足、怪我したんですよね?もう直ったんですか?」

「あ……?ああ、そういえば怪我したはずの足。直ってる」

「直るの早すぎません?」

 それもそうだ。さっき……三時間前に怪我した足が、治ってる。まあいいや。

「私がドリーミングガールだから、直ったのよ」

「ええ?ルッちゃんには、「夢も金も無い、タダの欲望の塊」説があるんだよ?おかしいよ」

「いっち番おかしいのは、あんなの脳細胞だよ」

 私に夢が無いのは本当だが、金は有る。

「そういえば、あんなたちは何の用?」

 私の問いに、30秒ほどフリーズするツグミとリーフ。

「ああ、私、ルキアさんにいい事を教えてあげに着たんです」

「なに?」

「この地獄には、太陽も月も存在しません。光源が無いんです。光が存在しない限り、地獄は暗闇の中のはず。なのに、ここが薄暗い理由は、ですねー…」

「ツグミ、その情報はどうでもいいわ」

 聞いても得しない。どうでもいい。ポケ●ンのゲームが壊れたときの直し方の次に得しない。「お家で簡単育毛剤の作り方」の次にどうでもいい。

「説明は、最期まで——」

 ——ドクン——

「!?」

 急に息が出来なくなった。私はその場に倒れこむ。

「ルキアさん!?」

「ルッちゃん!?」

 覚えの無い記憶が、頭の中に入ってくる。

 叫び声、飛び散る血、赤い空、一面の死体………。

 その死体を大量生産する自分、空より赤く染まる自分、助けを求める人を次々に殺してゆく…。

『殺さないで!××!』

『たすけてぇ!友達でしょう!?×月!』

『殺さないで××!殺さないで××!×月!』

『美月ーーーー!』

 —————美月—————

続。