ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜罪と罰の呪縛〜 参照500突破! ( No.82 )
- 日時: 2011/07/08 18:31
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
人間のころの自分の名前、忘れていた名前、『美月』だ。
「……美月、かぁ」
ぼそっと、つぶやく。
「……ルキアさん?大丈夫なんですか?今……」
ツグミが泣きそうな声で言った。
「な、何で泣きそうになってるの?ちょっとめまいがしただけよ……」
嘘ですが何か?無駄な心配をかけたくない。それより、さっきの記憶は、どうして思い出せたんだろう?それに、なぜ続きは思い出せないんだろう?
………取れあえず、私の罪は、『大量無差別殺人』だったんだね。それで悪魔になったんだ。
「ルキアは、『祟り』を受けているんだね」
リーフが真顔で言った。真顔で。
「…………リーフ、300年くらい前に生きていた魔王と同じ事を言ってる。」
微笑むリーフ。話についていけないツグミ。そして、苦笑いの私。どう対応していいかわからないときは、苦笑いだ!
「今、ルキアさんが倒れたときに、見たことの無い魔法陣がルキアさんを囲ったんですが……今のは?」
「え…魔法陣?」
私が、人間のときの残酷な記憶を見ているときに?何があったんだ?
突然リーフが狂ったように笑い出した。
「くぁはははははははは!!2人とも、なーんも知らないんだね!!いいよ、私が教えてあげるよ!」
「——リーフ?」
いつものリーフとは思えなかった。ただのウザいやつだと思っていたのに……。
「要するに、ルキアは、人間のころに犯した罪が大きすぎて、その被害者に恨まれてるんだよ。その恨みが、大きくなって、ルキアの命を蝕む『祟り』になったんだよ。だから、もうルキアは長くないね。」
「じゃあ、ルキアさんは、死んで…しまうんですか?」
「さぁ?『祟り』のパターンは幾つもあるからね。心だけ壊されたり、自分から自殺しちゃったり……いろいろあるよ。」
そういえば、初代魔王——ルキアが言っていた。『この祟りは、自身の寿命を削ってゆくものか……』と。
続。