ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: †殺人鬼少女の罪† ( No.9 )
日時: 2011/08/02 10:59
名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)

 ——殺される…!

 私は、鈴木を蹴っ飛ばした。見事に顔面を蹴ってしまったようだ。

 鈴木がナイフを落とした。

「…オイ! 夜空!! なんてことするんだ!」

「…正当防衛よ。悪いの?」

 拾ったナイフを鈴木を目に振り下ろした。「グチャ」っと、目玉のつぶれる音がした。

「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 ナイフを抜くと、目玉がついてきた…。あと、目の神経も。

「ふふ…。どうしてかしら? やっている事は、ただの悪行なのに、何だか楽しい…」

 ナイフについた目玉を落として、もう片方もつぶした。

「——!!」

 鈴木が最期に何か言おうとしたが、その前に死んでしまった。




 どうしてだろう? 殺人という罪を犯したのに……大罪を犯したのに……

 すごく楽しかった。

 もう、私は『私』でいられなくなる…。きっと、『殺人鬼』になってしまう……。だって…こんなに楽しいんだもの。




 あとで鈴木の屍は、埋めておいた。ナイフも一緒に。

 ……さて、次は誰を殺そうか?

                             ☆


鈴木を殺した次の日。

 私は、何事もなかったかのように学校へ行く。制服に付いた鈴木の血も、綺麗さっぱり落とした。だから、本当に何もなかったようだ。

 いつも通り、いつもと同じ通学路で、いつもと同じ服装で、いつもと違う気持ちで学校へ行く。




 学校に着き、自分の教室へ向かう。

「美月! 昨日はどうだった?!」

 美香が話しかけてきた。

「あんたが鈴木がどこにいるか教えてくれなかったから、そのまま帰ったわ」

 ……そんなの嘘だけど。

「ああ、そっか。ごめんごめん」

 全っ然、悪いと思ってないでしょ、キミ。

「おはよう。美月」

「あ、冷菜。おはよう。冷菜は?」

「失礼な。私が冷菜よ」

 彼女は松木 冷菜(まつき れいな)。双子ので、姉に冷花がいる。妹の方がしっかりしていて、姉の方は、かなりのボケだ。

「大体冷花が私より先に学校に来るわけ無いでしょ!?」

 キミ、実のお姉さんに対してそれは無いでしょ。

「…それもそうね」

 でも冷花が冷菜より先に学校に着てたらおかしい。思わず冷菜の言葉に納得してる自分がいる。

 そうだ、次は冷花を殺してみよう。そこで冷菜が泣くか、試してみよう。この姉妹がどれだけの中なのか?ちょっと気になるし。

 私は、これから起こる遊しい悲劇を想像して、微笑んだ。

「美月…なに笑ってるの? 不気味…」

 美香に言われた。

「失礼ね! 思い出し笑いよ! 思い出し笑いっ!」

「なに思い出してんのさ」

「…昨日、あんたが階段から落ちかけたこと」

 これも嘘。…嘘ばっかついてるわ。私。

「へぇ、美香は階段から落ちかけたの」

 ターゲットの冷花が来た。

「おはよう。冷花」

 嘘の微笑を向ける。いや、本当の微笑かもしれない。

 ……今日、すごく楽しいことが起こるから。