ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 殺人鬼少女の罪〜失われた記憶と祟り〜 ( No.99 )
- 日時: 2011/07/26 18:19
- 名前: クリスタル (ID: d9npfmd5)
「バカ雅ー!お前のせいで、こんな所に着ちゃったんだ!責任取れー!!」
「僕のせいなの!?」
「もういいよ!自分で何とかするから!」
とりあえず、スクールバッグから、カッターナイフを取り出した。
「こーゆー状況は、エンジョイするべきだから、サバイバルごっこする」
「野生的だよね、君」
カッターナイフを振り回して、周りの草を切る秋穂。とりあえず着いていく雅。
「秋穂、やっぱり刃物を振り回すのは、やめたほうがいいよ」
「なに言ってんの?草むらからポケ○ン出てきたら、どうするの?」
「絶対に、出てこないっ」
雅には、夢が無いな。きっと、ポケ○ンが出てくるはずだ。ピ○チュウが出てくるはずだ。
「それに、『毎日がサバイバル』って、言うでしょ?サバイバル生活に、なれたほうがいいよ、もやし」
「誰が『もやし』だっっ」
お前以外に誰がいる。
「あ、あれって……村?」
さっきの草むらから、100メートルくらい離れた所に、小さな村があった。入り口には、『花咲き村』と、書かれた看板。特に、花も華も無い村だ。
「ここの村の人に、この場所について、聞いてみよう」
「えー……村人は、実は、皆死んでいて、夜になると、迷い込んだ旅人を襲うとか………そんなことがあったら、どうするの?」
「絶対、そんなことは無い。…秋穂の知識は、無駄なことが多いね。昨日だって、お家で簡単育毛剤の作り方、教えてくれたけど…僕は、いつかハゲる事があっても、カツラで何とかするし」
——こいつ、いつか消してやる。
雅が適当に、村人の家の扉をノックする。「はぁい」と、返事をして、出てきたのは、60歳くらいのおばあさんだった。
ここがなんなのか、ばあさんに尋ねた。……それにしても、このばあさんの髪の毛の色がおかしい。普通の人間は、黒とか金髪とか、茶髪なのに、このばあさんは、紫だ。
ばあさんは、何の迷いも無く、答えた。
「ここは、魔界じゃよ」
「「魔界!?」」
最悪だ……雅とハモってしまった。なんか、やだ。
「その名の通り、魔法の世界じゃよ?もしかして、おぬしらは、地球から来たのかぇ?」
「…ここ、地球じゃないんですか?」
まさか、そんな。
「その通りじゃよ」
うわああああああああああ!!他の惑星に着ちゃったよーー!
「この星の事を、わしらは、アルタイルと、呼んどる」
アルタイルって、ワシ座の、アルファ星とか言うやつ!?(無駄に詳しい秋穂)
「たまに地球から、魔界に来る人間は、たくさんいるんじゃが、そういった人間は、一生地球に戻れず、この世で消えていく」
「え、じゃあ、地球で、親が心配するじゃないですか!」
おばあさんは、微笑みながら、答えた。
「この世界で進む時間、1年が、地球では、たったの1秒らしい。つまり、100年で、100秒。だから、気にする必要は、あまり無いんじゃ」
ちょっと、気にした方がいいのでは……?でも、いいか。そうだ、最後に聞いてみよう。
「ばあさん、何で髪の毛の色、紫なんですか?」
「魔界と地球では、色々違っているからねぇ。この色の髪は、普通なんじゃよ」
「へぇ」
そういえば、魔界は、日本語が世界共通語なのだろうか?英語とかも有るのだろうか?
「ワシの友達は、ストレートロングのショッキングピンクの髪が、自慢じゃそうだ」
「………」
英語もあるのか。魔界。
英語があるなら、ギリシャ語とか、アラビア語も有りそうだな。そんな言葉、どこで使うか不明だけど。
「お話、ありがとう御座いました、おばあさん」
「いやいや、若い者と、話が出来て楽しかったよぉ」
本当に楽しかったのか!?
第6章 魔界に落ちた人間 完