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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 怪談話 ( No.114 )
- 日時: 2011/08/25 22:00
- 名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
- 参照: 元、「かりん」です
29「朝」
ジリリリ!
朝の目覚ましが私を起す。
そして、容赦なく聞こえる母の声。
「朝よ〜おきなさい!」
そして、眠い目をこすりながら起き上がり、時計を見る。
夜中の3時……
母の声はまだ、下から聞こえる。
驚いてテレビをつける。
深夜番組がやっている。
「嘘……どうなってるの?」
独り言をつぶやく。
まだ、母の声は響いている。
可笑しい……
「ほら!起きなさい!」
母の足音が近づいてくる。
扉が開く。
———其処には何も居ない———……
「も〜……何なの?」
私は布団をかぶり、ガタガタと震える。
得体の知れない何かが居る……
「まだ起きないの?」
耳元で聞こえる声。
そのとたん金縛りにあう。
布団が剥ぎ取られ、誰かが覗き込む。
ような気配がする。
「早く起きなさい」
声がまた聞こえる。
動けない。しゃべれない……
ただ、怯えることしか出来ない。
「起きなさい!」
私を揺さぶる。
手の感触が伝わる。
———驚くほど冷たい手……
「も〜しょうがない子ね」
人が去っていく。
金縛りが解ける。
開いている扉を閉めようと、扉まで近寄る。
「やっと起きたね」
腕を掴まれた。
悲鳴すら上げれない……
———記憶が飛ぶ……
———え?私がどうなったって?
———本当にシリタイノ?……
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