ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 怪談話(短編集) ( No.13 )
日時: 2011/04/26 17:39
名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)

6、呪いの交差点

最近事故、多いよなぁ・・・

俺は読んでいた新聞を置き、一服した。

近くのおばさんが話しているのが耳に入った。

「そういえば、最近事故多くない?」

「そうよねぇ・・・」

「あの、交差点での事故が1番多いわよねぇ」

「本当・・・しかも、あの子がひき逃げにあってからよねぇ」

「そうそう。しかも、あの子と同じ年の子が死んでるし」

「天国でも一緒に遊びたいのかねぇ・・・」

そこで、俺は席を立った。

怖いわけじゃない。

怖いわけじゃ・・・

交差点を通れば近道だが、俺は通るのをやめた。

でも、足は意思とは関係なく、交差点へ向かっていた。

そして、交差点のど真ん中には、俺がひき逃げをした少女がゆっくりゆっくり、俺のところへ近寄ってくる。

いやだ。

やめてくれ。

少女は不気味な笑みを浮かべ俺を車道に引き込んだ。

目の前には大型トラックが・・・



甲高い女の悲鳴が聞こえた。

「きゃぁぁぁぁ!!救急車・・・救急車を」

女の子は救急車が去った後でも、気味の悪い笑顔を浮かべ、救急車を見送った。