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ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 怪談話【お題募集】 ( No.42 )
- 日時: 2011/08/05 13:55
- 名前: 秋桜 ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)
16「シンユウを作るために」
私は、いつものように図書館へ行った。
図書館しか居場所が無いから……
「今日は何を読もうかな……」
背伸びをして、本のタイトルを見る。
ほとんど読んでしまっているから、あまり期待していなかった。
そして、あ行、か行の本棚をみたあと、さ行の本棚へ……
「あれ?なんだろ……『シンユウを作るために』?変な題名……」
そういいつつも、本当は題名に惹かれていた。
「借りちゃおうかな……」
借りるための手続きをとり、わたしは図書館から家へ帰った。
すぐに、本を取り出し、近くにあるソファーに寝転び、読み始めた。
10分程で読み終え、わたしは、早く明日にならないかと願った。
次の日
『シンユウを作る第一歩は、明るい挨拶』
「おはよう」
わたしは自分から、クラスの人に挨拶をした。
皆びっくりしていたが、笑顔で返してくれた。
わたしでもできるんだ……嬉しい。
休み時間
『シンユウを作る第一歩は、休み時間の話』
「ね〜。Aちゃん。本って好き?」
「わたしはライトノベルが好き」
「えっそうなの?わたしも好き。家にたくさんあるから読みに来ない?」
「うん」
家
『シンユウを作る第一歩は……ナイフをシンユウにしたい子に突き立てる』
「わ〜……こんなにたくさん。すごいね」
Aちゃんが笑う。
この子と親友になれるんだ。
わたしは背後に隠していたナイフをAちゃんに突き刺す。
紅い血が飛び散る。
Aちゃんの着ていた白い服が真っ赤に染まる。
綺麗……
でも……Aちゃん動かないよ?
何で?
親友になれたのに……
本に血がとび、シンユウの文字が、別の字に見えた。
それは……『死ん友を作るために』
———今も、何処かにその本があるかもしれません……
———それは、あなたの近くの図書館かも。
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