ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 猫の怪談(短編集) ( No.8 )
日時: 2011/04/24 18:08
名前: かりん ◆SVvO/z.cC. (ID: ueXHoJNS)

4、いつまでも・・・(感動かも)

「おはよ。ひとみ」

「にゃあ」

言葉はわからない。

だけど、その様子を見るだけでうちは癒された。

「ひとみがいなくなったらうちは生きていけないよ」

「にゃあ〜」

やっぱり言葉はわからない。

でも、交通事故で死んじゃった。

まったく悲しくないって言ったら嘘だけど、でも、毎日夢に出てきてくれるからそんなに悲しくないよ。

これは、ある日の夢のお話。

「ひとみ。来てくれたんだ。うちね、はなしたいことがいっぱいあるんだよ」

「ふにゃあ」

いつものように話をしていた。

と、いっても、うちが一方的に話すだけだけど。

その時、いきなり黒い影が目の前を覆った。

そして、わたしは、引き込まれそうになったが甲高い猫の鳴き声がし、黒い影は消えた。

でも、目の前にいたひとみも姿を消していた。

「ひとみ〜?どこ〜?」

ただ、悲しく、寂しいわたしの声が空間にこだました。

ただ、耳にかすかに残ったあの鳴き声は、

「さようなら」

といっているように思えた。

わたしは、それからひとみのことを思い出しても辛くなくなった。

だってひとみはわたしの中で生きているはずだから。