ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト 若干修正しました ( No.100 )
- 日時: 2011/07/21 21:16
- 名前: 青銅 (ID: 74hicH8q)
〜第32話 恐るべきは法 先丈〜
「さぁさぁ選手紹介です!本大会最有力優勝候補と名高き男!使用武術は少林寺拳法!白虎の先丈こと、法 先丈選手!」
「………。」
何一つ喋らず、舞台へと上がってゆく。
「対するは此方!我が同僚では最強の存在!最有力優勝候補!使用武術は蔡獏拳!黒豹の驫木こと、驫木 好摩選手!」
「お出迎えどーも。」
そして舞台に両者が上がる。
両者静かににらみ合いを見せ、既に臨戦態勢だ。
「それでは始めます!レディーファイト!」
「車鞭手!」
合図と同時に鞭のようにしなる腕で拳を放つ。
しかし、先丈は表情を変えずにその拳を止めた。
「なかなかやるじゃん…俺も負けられないな。」
そういうと自慢の多彩な手技を用いて次々と打撃を放つ。
先丈はそれを次々と交わしてゆく。
「防御ばっかりじゃ勝てないっつうのは明らかだろうが!車輪手!」
腕を回転させて無防備に見えるその頭部に打撃を与えようとする。
しかし、先丈はその攻撃すらいとも簡単に防いでしまう。
「法選手。見事なまでの防御を魅せます。」
「なんて硬い防御だ…。」
「…そろそろ修行は終わらせよう…。」
「…はっ?」
驫木はその耳を疑った。
それもそのはずであろう。
彼が言ったのは修行と言う単語なのだから。
「修行を終わりにするといったのだ…貴様ごとき、決勝相手までの修行相手…いや…修行にもならんか…。」
「テメェ…舐めてくれるじゃん…!」
そういうと技の構えを取り、その後手を広げた。
「これで黙らせてやる!奥義 食力!」
「でたぁ!驫木選手の食力ぃ!」
驫木は先丈の気力を吸い取る。
たちまち先丈のエネルギーを吸い取りきった。
「どうだ…これでお前は力が無くなった…。」
「………。」
「その力は俺が吸収したんだ…今の俺はお前より強い!さぁ、これでケリをつけてやる!奥義 虎鷹双形!」
全エネルギーを集中させた腕を爪の形をし、それを先丈に放った。
しかし先丈は、力の失ったはずの先丈は何と、それを見事に捌いたのだ。
「何だと!?お前には力が無いはずだ!」
「力?そんなもの不要だ。俺を止めたければその腕を封じるべきだったな…少林寺拳法五花拳 片手投!」
その腕を掴むと力が無いということを感じさせない技術で投げ飛ばした。
「うぐっ!?」
「少林寺拳法金剛拳 裏固!」
そして関節技を放った。
その攻撃にたちまち驫木は苦痛を現す。
「ぐっ…ギブアップ…。」
「勝負アリ!勝者!法選手!決まり手」
「ぬるい…。」
そういうと先丈はさらに関節を締め上げる。
驫木の腕を破壊するつもりだ。
「ぐあぁぁ!!!」
「戦いで負けはタヒを意味する…貴様はギブアップをした…貴様など武術家を名乗る資格も権利もないわ!」
「あのやろう!」
それを見たレオンはすぐさま舞台に上がろうとする。
しかし、それを小五郎は止めた。
「此処は私にお任せを。とぅっ!」
「えっ?ちょっと小五郎?」
そういうとチーターもビックリの速さで舞台へと上がっていった。
「法選手。直ぐにやめてください。」
「貴様、実況か…貴様に俺を止める権利は無い。」
「やめなければ失格ですよ?それでも?」
「ちっ…。」
そう言うと開放する。
幸いにも大事には到らなかったようだ。
「この大会に優勝したら真っ先に貴様らを潰してやる…。」
「やれる者なら。」
「すまない…実況兼審判…。」
「審判のやることをやったまでです。」
そういうと救護室まで運ぶ小五郎。
観客席ではレオンが思っていた。
「自信過剰なヤツだ…。」
「だけど兄貴には劣りますから別に気にする必用ないでしょう?」
「…まぁな…。」
今のレオンは気楽なムードが無く、緊迫な表情を浮かべていた。
法 先丈…レオンにとって彼はロンと戦うために超えなければならない壁であろう…。
=第32話 完=