ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト 返信100とかウソダロ ( No.103 )
- 日時: 2011/08/01 18:57
- 名前: 青銅 (ID: 74hicH8q)
=第33話 強い奴≠ヤバイ奴=
「さぁ此方、黒熊こと健吾選手とオカマッスルこと五郎選手の戦いが続いております。」
「あらあら、貴方結構やるじゃない。」
「うぇ…そっちもやるけどな…。」
現在、健吾と五郎の戦いが行われている。
オカマが嫌いな健吾にとって五郎は非常に相手が悪かったがなかなかに義戦している様子。
「だけどコレで決まりよぉぉ!奥義 禁断の口付け!!!」
「させるかぁ!!!」
ベアハッグからのファーストキスで落とそうとする五郎。
しかし、健吾はその首を下に向けさせ、ベアハッグを脱出。
そのまま直下型のパイルドライバーで落とした。
「決まりましたぁ!勝者 健吾選手!」
「うぇっ…気持ち悪かった…。」
「お疲れ。」
健吾の勝利を称えると同時に哀れむ様子を見せるレオン。
「続いての勝負は此方!紫庵選手VSアガラ・ドロー選手!」
「『それでは行ってきます。』」
紫庵はそれを書くと舞台へと足を運んだ。
相手側の入り口からはデカいバッグを背負った男が現れる。
「さぁさぁ、今回の勝負は此方!変幻自在の我流拳で全てを惑わす!紫庵選手!」
「『さーてやりますか(・∀・)ニヤニヤ』」
「対するは此方!情けの無いファイトに定評があるダーディーバロン!公権流武術の使い手!反則悪童 アガラ・ドロー選手!」
「キヒヒ。テメェも先のヤツラ同様に地獄に叩き込んでやるよ。」
「それでは始めます!レディーファイト!」
紫庵とアガラは同時に向かう。
その最中、アガラは腕を鞭のようにしならせる。
「ヒヒヒ…。」
「『(・A・)?』」
警戒しながらも接近し、棒での突きを放とうとする。
しかし、次の瞬間だった。
「ヒャハ!四連嘘拳!」
「…っ!」
腕が4つに分身して紫庵を襲う。
紫庵は的確にガードするが向かってくる拳は次々と消えてゆく。
「『(全てフェイント…っ!)』」
紫庵は足元に激痛を覚えた。
その足は、アガラの足で踏まれていたのだ。
「ヒヒヒ…二舌横拳!」
「………。」
続けざまにフックを放つアガラ。
紫庵は足を踏まれつつも難なく回避する。
しかし、アガラはその勢いで肘打ちを放った。
そのフックは囮だったのだ。
「………。」
「キヒヒ…顔上げろよ…俺は相手が苦しむ顔見たくて武術やってんだからよぉ…。」
完全にアガラのペースで試合が進む中、客席からは大量の物が投げつけられる。
当然レオン達も投げていた。
「テメェ!武道家として恥ずかしくねぇのかよ!」
「お前は武道家失格だこの野郎!」
特にレオンと健吾が激しく投げている。
「ギャーギャーうるせぇなぁ客席。」
「『ハイヤー。』」
棒をたたき付ける紫庵。
余所見をしていたアガラはそれを喰らってしまい、脱出を許してしまう。
「イテテ…よくもやってくれたじゃん…今回はコレだな…。」
そういうと金属バットを取り出した。
「出ました!ダーディーバッグの秘密道具!今回は金属バットです!」
「キヒヒ!喰らいやがれ!」
そういうと金属バットでたたき付ける。
紫庵は棒でガードをするが次々と放たれるバット攻撃に押される。
そして遂にバットが紫庵の腹部に直撃した。
吹き飛ばされる紫庵。
「キヒヒ!弱い弱い!そんな弱さでこの大会に出るって呆れるぜ!」
アガラはそれをあざ笑う。
その時。
「…れよ…。」
「あぁ?」
「黙れよ腰抜け。」
「………。」
「………。」
「紫庵が」
「「「しゃべった!?」」」
その光景に客席にいたレオン達は一句一同にそう言った。
「てか、テメェ反則使わなきゃ勝てないって実質自分より弱いって事だけど?」
「しかも」
「「「毒舌!?」」」
またも一句一同で叫ぶレオン達。
散々な事を言われるアガラは。
「て、テメェ…言ってくれるじゃん…だったら反則状態の俺に勝って見ろしぃ?」
「あぁ、勝つよ。余裕で。」
そういうと再び棒を構える。
「だったら…やってみやがれぇ!」
再びバットを振るうアガラ。
しかし、紫庵は先ほどとは大違いの棒捌きでそれを回避して行き、払いからの突きを放つ。
「イテッ…この野郎!」
そういってバットを振るうとバットの先端が飛んでゆく。
バットを改造したのだろう。
「ほらよ〜。」
「ヒャハ!」
先端を棒で払った紫庵に今度は鎖が飛ぶ。
鎖に腕を巻かれた紫庵は特に動揺を見せない。
しかし。
「ヒャハハ!これで如何だ!」
そういうとアガラは何と拳銃を取り出したのだ。
「こ、これはいけません!アガラ選手!拳銃は反則です!」
「知るか!相手がタヒねば引き分けで終わるだろ!だから道連れよぉ!そっちの負けに等しい引き分けにな!ヒャハハ!」
「…撃ってみなよ。」
「ハッ?」
何を思ったのか、紫庵はアガラに挑発をした。
これには完全に切れたアガラ。
「いいだろう…地獄に堕ちろぉ!!!」
そして発砲するアガラ。
しかし、紫庵は信じられないくらい素早い動きでその弾丸を避けた。
そのまま得物を棒からマグロへと変える。
「奥義 大トロ一閃断!」
そしてアガラに向かってそのマグロを振るう。
顔面にその攻撃したアガラは吹き飛ぶ。
当然、鎖を巻いていた紫庵も一緒に吹き飛ぶが抵抗しない。
そして得物を再び棒に変える。
「奥義 地獄風車!」
アガラの腹部に棒を突くと頭上に上げて回転させる。
ドンドン回転の速度を上げ、そして終いには投げ飛ばした。
回転により、鎖は千切れてアガラだけが吹き飛ぶ。
そしてアガラはピクリとも動かなくなった。
「勝負アリィ!勝者 紫庵選手!決め手は地獄風車+反則負け!」
「よっし。」
そのまま戻った紫庵。
その客席には丸い目のレオン達が待っていた。
「『…どうしたんすか?皆さん。』」
「(幾らトボけても俺達が見たアレは誤魔化せねぇな…。)」
とりあえずこの事は話題に出さないようにしておいたレオン。
そして…。
「とりあえずロアもクララも勝ち残ったな。」
「後はお前だけだぞ。」
「任せとけって!」
「続いての勝負は此方!レオン選手VSロナン選手!」
「おっと、俺の出番だ!勝って来るぜ!」
そしてレオンは舞台へと上がって言った。
=第33話 完=