ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト 返信100とかウソダロ ( No.105 )
- 日時: 2011/08/21 18:55
- 名前: 青銅 (ID: 74hicH8q)
〜第34話 流星の尾を引け〜
「今回の勝負は此方!燃え盛る魂を持つ男!烈火の獅子 レオン・アルファード選手!」
「さ〜て、やってやるか。」
「いい気合だけど俺の闘術に勝てないさ。」
「んなもん戦ってみねぇと…。」
レオンはその姿を見て絶句した。
何せその服装にスパイクシューズ、そして何より足元のボール。
そう、紛れも無くサッカー場にいるほうがあっているような男だ。
「…出る大会間違ってねぇか?」
「何言ってるさ!実況さん!紹介早く!」
「はいただいま!対する選手は此方!サッカーの神童と呼ばれし男が格闘会に殴りこみ!華麗な足技、サッカー拳法で敵を絶つ!流星の刃 ロダン・ジーン選手!」
そう、紛れも無く彼はこの大会の参加者であり、仮にも第一回戦を勝ち抜いた男なのである。
「アメフトならまだ解かるとしてもサッカーで此処まで行けるもんなのか?まぁチェスもスポーツに含まれてるからサッカーだって武道になるだろうけどよぉ。」
「はっきり言ってラグビーよりも凄いと思うさ。さっ、始めてもらうさ。」
「それではお言葉に甘えて!レディーファイト!」
「先制さ!」
そういうと足元で転がしていたサッカーボールを蹴り飛ばした。
レオンはそれをパンチで跳ね返す。
「なかなかやるさ…面白いさ!」
「サッカーの本場、ヨーロッパの力見せてやるよ!」
そういうとレオンはロダンに接近し、四六拳を放つ。
一方のロダンの方も負けじと蹴りの連発で応戦してくる。
「さぁ、レオン選手が突きを、ロダン選手が蹴りを連発。見事なサッカーの対決です。」
「何処がサッカーなのよ。」
「おーっと!此処でロダン選手のトーキックが決まったぁ!」
トーキックを腹部に受けて吹き飛ぶレオン。
ロダンは攻撃を止めず、吹き飛ばされたレオンに向かって接近。
しかし、直後に起き上がったレオンのパンチを腹部に受けた。
「うっ…やるさ…。」
「そっちも流石サッカーで足鍛えられてるからそこらの奴の蹴りとは違うな…。」
「勿論さ…だから負けられないさ!」
先ほどのサッカーボールの元に駆け寄り、回収。
そのままボールを頭部に乗せて先ほどのように蹴りのラッシュを放つ。
「出ましたぁ!ロダン選手の必殺戦法 制球圏!」
「ボールを死守する事によって精神を研ぎ澄ませる戦法ね。これで一回戦の奴相手に無傷で言ったのよ。」
「有る意味鉄壁の布陣ってわけか…面白ぇ!」
そういうとレオンは先ほどのように四六拳を放った。
しかし、ロダンは器用にもそのボールを落とさずに次々と放たれるその拳を交わしてゆく。
そして最後の拳を回転して交わすとそのまま回し蹴りを放った。
「くっ!全然あたらねぇや…何つうステップだよ…!」
「俺の威力がわかったさ?サッカーはアフリカが本場さ!」
「(こりゃまずいぜ…ステップ回避か…サッカーは少し齧ってただけの俺はどうすりゃいいかな…。)」
頭の中であれこれ考えるレオン。
しかし、思い浮かばず苦虫を噛み潰した表情になる。
「どうさ!この布陣は最強さ!」
「ちっ…そんなの…!」
またも拳の連打を放つが軽くあしらわれ、反撃をもらってしまった。
「イテテ…チクショウ…。」
「早く降参するさ!」
「(ダメだこりゃ。攻撃しても埒があかねぇ…んっ?)」
レオンは何かに気付いたかのような表情を浮かべる。
「よしっ…これなら行ける…。」
「何さ?」
「これだぁ!」
レオンは堂々とあぐらでその場に座る。
「コレが俺の戦法だ!イタリアが誇る必殺の布陣 カテナチオ!」
「此処でレオン選手!カテナチオです!」
「イタリア発祥の守備重視の戦法ね…某超次元サッカーRPGにも同じような物が有るけど実際にも存在するわよ。」
「………。」
それを見たロダンは引きつった表情になる。
そう、制球圏はカウンター重視の技である為、相手が攻撃しないと攻撃できない致命的な欠点を持つからだ。
「…どうだ…テメェの布陣もコレで総崩れだな…。」
「そうでもないさ!」
そういうと頭に乗せたサッカーボールを上に上げて自身もジャンプ。
同じくらいの高さまで上昇した。
「さぁ、コレで決めるさ!必殺シュート 流星の剣!」
「出ました!ロダン選手の異名にもなっている必殺シュート!」
「絶対に流星○レードでしょうよ。」
「待ってたぜ!そういうのが来るのがよ!」
そういうとカテナチオの体制のまま構える。
「岳飛流星拳!!!」
それをボールに向かって放つとボールを跳ね返した。
「ま、マジ!?」
「キーパーじゃなくっちゃコレは止められねぇぞぉ!!!」
そしてボールはロダンの腹部を直撃。
ロダンは気を失った。
「勝負アリ!勝者 レオン選手!決め手は…カウンターで。」
「サッカーの本場に勝とうなんざ100年早ぇよ。」
そう言うと客席に戻る。
「続いての試合が最後に鳴ります!そのカードは矢野 仁三郎選手VSヤーマ・イーナ選手です!」
「あいつか…アイツの試合は初めてだから見物だな…。」
そして舞台に上がった仁三郎。
「ほないっちょやってやるで〜。」
自信満々のようであった。
=第34話 完=