ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト ( No.119 )
- 日時: 2012/02/19 17:08
- 名前: 白樫 ◆fd.I9FACIE (ID: glXVlHlM)
〜第38話 矛と盾パート2〜
「今回の勝負は此方!ICPOの最終兵器であり、欧米の誇る格闘家!月砕 ロア・ヴァネッサ選手!」
「能書きはいい。相手は誰だ。」
「対するは此方!ナイジェリアの拳雄!キングカンガルー ゴンザレス・オスボン選手!」
「オラァ!アフリカの底力みせてやんよ!」
「それでは始めます!レディー・ファイト!」
合図とどうじに2人は接近。
ロアはいつもの様にボクシングスタイルで牽制を取る姿勢を見せた。
そして早速3連左ジャブを放つ。
しかし、ゴンザレスはそれを左手でガードし、右手で反撃の拳を打って出たのだ。
「さすがゴンザレス選手。的確なガードで空きを付きます。」
「くっ…やる…!」
「ゴンザレス選手の闘術はダンベ。左手が盾で右手が矛と称される戦い方に足技をプラスしたナイジェリア式キックボクシングね。」
「(左が盾で右が矛…なら足は留守な筈だ!)」
今度はローキックで足にダメージを与えようとする。
しかし、今度は左足で防御されてしまった。
「なっ!?」
「テメェ如きの足技で俺の足をやれると思ってたのか!?」
そしてゴンザレスは強烈なキックでロアを弾く。
その威力にロアはガードもままならなかった。
「左手は盾、右手は矛、そして足は矛と盾一体。テメェ如きにこの闘術は防げねぇぞ?」
「いくら柔軟な対処が出来るMMAも此処までなのでしょうか。」
「ふっ…だが…コレは防げまい!」
そう言うとロアはゴンザレスに向かって真っ向から突進。
また蹴りではじき飛ばそうとゴンザレスは構え、キックを放った。
しかし、ロアはそれを跳躍で回避、そして両膝で頭を挟み、バック転の要領でゴンザレスを投げとばす。
「此処でロア選手のフランケンシュタイナーが炸裂だぁ!」
「その矛と盾は打撃のみだろう?先のクララの様に投げも返せるのなら解るがお前は盾にしては余りにも粗末だ。」
「行ってくれるじゃねぇか…!」
そう言うと寝技に持ちかけようとしたロアを殴り飛ばした。
そして立ち上がる。
「くっ…そういえば此処は目潰し、金的、銃器使用とか一部覗いてルール無しだったな…。」
「あったりめぇだ。そうじゃなきゃ不利だからな…。」
「それでも…俺には適わん…!」
「思い通りになんねぇよ!」
そう言うと右ストレートを放って牽制。
ロアはそれを交わし、フックを放つが左手に阻まれる。
それをチャンスと言わんばかりにジャブの連発するが、ロアはそれを的確に回避。
壮絶な打ち合いが繰り広げられる。
「ロア選手とゴンザレス選手、激しい打ち合いを繰り広げています!」
「何方もキックボクシングスタイルで行ってますからねぇ…だけどよく見ていてください。」
累加はそう言うと只々、じっと見つめる。
そして見ていると徐々にゴンザレスが押されていくのがハッキリとしている。
「おーっと!ゴンザレス選手!押され始めてます!これはどういう事でしょうか!」
「左腕で防御、右腕で攻撃。確かにコレは戦術的には可也良いわよ。だけどね、その分片手で戦ってるのと同じだから手数で劣るのよね。」
「なるほどなるほど。おーっと!此処でロア選手、巴投げだぁ!」
ラッシュで押したロアはその後、巴投げを決める。
そしてそのままグラウンドポジションに持ち込み、体固めを決めた。
「勝負あり!勝者、ロア選手!決まり手は体固め(ピンフォールで)!」
「よしっ…。」
「さっすがロアだな…。」
「決勝に残る人が誰になるか解りませんねぇ…。」
「次の試合はこちら!山島 健吾選手VSラッセル・マンスフィールド選手!」
「あっ、俺だ。」
「…負けるんじゃねぇか?」
「負けてたまるかってんだ!勝ってやるぜ旦那よぉ!」
そして健吾は勢い良く会場へ向かった。
〜第38話 完〜