ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト ( No.120 )
- 日時: 2012/02/19 15:06
- 名前: 白樫 ◆fd.I9FACIE (ID: glXVlHlM)
〜第39話 熊の頭脳は全てを制す〜
「今回の勝負はこちら!地下街が誇る超技巧派トップレスラー!黒熊 荒垣 健吾選手!」
「っしゃあ!相手は誰だ!」
「対するは此方!CACC(キャッチ・アズ・キャッチ・キャン)の使い手であり、公式戦無敗の超大型新人!アリゲーター ラッセル・マンスフィールド選手!」
「おや、相手も似たような格闘技…。」
「それでは始めます!レディーファイト!」
ゴングがなると同時に健吾は相手に向かっていき、ケンカキックを放つ。
ラッセルはそのケンカキックを防ぐと同時に片足をとり、そのまま健吾を倒して逆エビ固めに移行する。
「ラッセル選手!いきなり固め技に打って出たぁ!」
「当然よ。CACCはプロレスみたいな競技だけど固め技や関節技中心なんだから。第一回戦で敗れたアンドリューのブラジリアン柔術みたいな感じに。ラッセルの公式戦無敗の記録もほぼ全てギブアップさせての物だし。」
「ふぅ…さぁ、どうだい?そろそろギブ?」
「そうは行かねぇんだよなぁ!」
そう言うと体を回転させて脱出。
そのまま距離を離す。
「ふぅ…なかなかやるじゃねぇか。」
「君と比べればね…今の時代『極投極』が全てを握る…君ごときでこの大会を勝ち上がるなんてどうかしてる。」
「お前…完全に打撃のありがたみ知らねぇな…ここは、いっちょオシオキと行くか!」
「また投げ飛ばしてあげるよ!」
そう言うとラッセルは腕を突き出し、健吾をつかもうとするがそれをいなされて腕を固定され、逆水平チョップの3連発を食らう。
ラッセルはそれを自ら前転をすることで健吾を無理やり倒し、フロントチョークへと移行。
しかし、健吾はラッセルにストマッククロー(胃袋掴み)を繰り出し、脱出をする。
「ゲホッ…僕の技も戦法も通用しない…。」
「まだまだ終わらねぇぜ!」
「こっちもね…。」
健吾はタックルを放ち、ラッセルはそのタックルを巴投げでカウンター。
再び寝技へと移ろうとするが健吾はそれをフラッシングエルボーで防ぎ、再び立ち上がる。
そのままエルボードロップを放ち、ラッセルにダメージを与える。
しかし、ラッセルも健吾を腰投げで投げ飛ばし固め技に移行とする。
だが健吾はそれをモンキーフリップ(発展型の巴投げ)で投げ飛ばし、そのまま立ち上がろうとするラッセルの膝を踏む。
「さ〜て…これでフィニッシュとするかぁ!」
「えっ?えっ?」
「シャイニングウィザァァド!!!」
そのまま膝を踏み台に強烈な膝蹴りを浴びせる。
ラッセルはダウンし、既に意識も飛んでしまっているようだ。
「勝負ありぃ!勝者、健吾選手!決まり手、シャイニング・ウィザード!」
「っしゃあ!」
そのまま揚々と客席まで戻ってゆく。
「すげぇな健吾!お前何時からそんなになったんだよ!」
「そりゃあ…旦那と戦った後じゃん?」
「…まぁ、確かにあの時はな…。」
「さぁ、続いての試合は此方!レオン・アルファード選手VS紫庵選手!」
その声と共にレオン達の間にしばしの沈黙が走った。
「『………。』」
「………。」
「『え〜…先生。いくら先生でも容赦やらはしませんから。』」
「こっちのセリフだコラ!行くぜ!」
そのまま2人は会場へと向かっていった。
〜第39話 完〜