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Re: 気まぐれストリートファイト ( No.123 )
日時: 2012/02/19 15:07
名前: 白樫 ◆fd.I9FACIE (ID: glXVlHlM)

〜第40話 秘拳陽炎返し〜

「本日のカードは見ものだァ!その組み合わせは此方!レオン・アルファード選手VS紫庵選手!」
「舎弟だろうが教え子だろうが俺は手加減しねぇぞコラァ!」
「『勿論此方も全力を尽くしますよ〜(・∀・)ニヤニヤ』」
「それでは始めます!レディーファイト!」

ゴングと同時に2人は走った。
そしてお互い構えを取る。

「紫庵!お前とはずっと前に戦ったっきりガチの舞台じゃ戦ってこなかったけど、ちょっと弱くなっちゃいねぇか!?」

四六拳を放ちながら紫庵に向けて語りかけるレオン。
紫庵は最初の数発を喰らいながらも棒で的確に防御する。

「『そうでもないんですよね!』」

そう書くと紫庵は突きの連発を放つ。
しかし、レオンはそれを得意のフットワークで回避していく。

「遅ぇ!遅ぇぞ!遠慮せず全力で突いてきな!」
「『(@_@)』」

そしてレオンは跳躍し、そのまま急降下からの鉄拳を放った。
紫庵はその攻撃を一歩下がって回避するがその直後、レオンのアッパーカットが襲いかかる。

「『うっ!?』」
「まだまだ甘いぜ!」

そして更にそこから片手での四六拳、硬槌拳、六合拳のコンボを放つ。
紫庵はそのコンボを食らった。

「『うわぁぁっ!』」
「紫庵選手、押されています!」
「紫庵!まだお前に抜かれるわけにはいかねぇんだよ!」

レオンは倒れている紫庵に対してそう告げる。
しかし、紫庵は再び立ち上がる。

「おーっと紫庵選手!再び立ち上がったぁ!」
「ちっ…。」
「『こっちもまだ倒れるわけにはいかないんですよね。』」
「ならまた倒れろや!」

そのまま四六拳を放つ。
紫庵も棒での突き連発で対抗する。

「ちょっとはサマになってきたけどまだまだってとこか!?」
「『そうでもないんですよね!』」
「だがコレで終わりにしたらぁ!岳飛流星拳!」

そしてレオンはその拳を振るった。
しかし、何と紫庵はその鉄拳を棒で絡めとったのだ。

「な、なにぃ!?」
「『待ってましたよ先生!フィニッシュに岳飛流星拳をほぼ毎回使用する先生なら此処で使うと思いましてね!』」
「紫庵選手!レオン選手の動きを読んでいたぁ!」
「『喰らえ!秘拳陽炎返し!』」

そしてレオンの腕を絡めとったまま棒を回転してレオンの体制を崩す。

「おわっ!」
「『たぁーーー!!!』」

そのまま棒を離してマグロを取り出し、レオンの腹部目掛けて振り落とした。

「紫庵選手の必殺技が炸裂!」
「これには流石のレオン選手もダウンじゃない?」
「イテテ…大層な技使いやがって…。」
「おーっと!起き上がったぁ!」
「『まだ決定だとはいかなかったか…。』」
「…もういっぺんやってやるぜ!岳飛流星拳!」

再び岳飛流星拳を放つレオン。

「『陽炎返し!』」

勿論この通り、陽炎返しのカウンターを受ける。
しかし…。

「岳飛流星拳!」
「『陽炎返し!』」
「岳飛流星拳!」
「『陽炎返し!』」
「岳飛流星拳!」
「『陽炎返し!』」

レオンは岳飛流星拳を止めようとはせず、次々と陽炎返しの餌食となる。

「一体レオン選手は何をしたいのか、ひょっとしてレオン選手はドMなのか、ドMなんでしょうか!?」
「それは無いわよ。」
「へっ…陽炎返し、なかなかいい技だな…。」
「『お褒めいただきコーエーです。』」
「だけど…コレで決めてやらぁ!岳飛流星拳!」
「また岳飛流星拳だぁ!」
「『また潰しますよ!』」

再び腕に棒を絡ませる。

「『陽炎返し!』」
「させるかぁ!!!」

紫庵が棒を回す前にレオンはバック宙を行い、逆に紫庵の体制を崩した。

「『うわっ!?』」
「硬槌拳!」

そのまま倒れた紫庵に鉄拳を放つ。
その威力に紫庵の意識は飛んだ。

「勝負あり!勝者 レオン選手!決まり手は硬槌拳!」
「おい、起きろ。」
「『うっ…やっぱりダメかぁ。』」
「ったく、恐ろしい技作ったなぁお前も。だけど一歩及ばなかったな。男ならまた挑戦してきな。」
「『絶対に超えますよ…。』」
「へっ、ますます負けられねぇな。」

そのまま客席に戻るレオンと紫庵。

「お疲れっす。お二人とも。」
「あぁ。」
「これにて本日の試合はすべて終了です!明日は遂に第4回戦です!明日までお休みくださいませ!」
「あ〜、終わった…宿戻るぜ俺は…。」
「OKっすよ。」

第3回戦は終了し、それぞれ宿へと向かう。
明日は第4回戦…いよいよ後半戦突入である。





その頃…





「ちゃんと仕事はしてくれているようだな…。」
「あいつと未だに当たらへんのが苦痛やで…。」

そこには龍玖と仁三郎が居た。
2人は何かを話している様子である。

「だが安心しろ、次は必ず当たる。」
「おっ、そりゃまたいい知らせやな…酒も進むってもんや。」
「枚鎌様の期待は裏切るなよ…。」
「誰に向かって物言うてんねんや。金貰えば必ずやったるで。」
「ふふ…その自信…結果で示すんだな…矢野 仁三郎…いや…『鉢屋 与作』…。」

それを聞いた仁三郎——与作——は苦虫を噛み潰したような表情をした。

「…今、その名前で呼ばんでもええやないかい…ワイはこの大会中は『矢野 仁三郎』の名前で通しとるんやから…。」
「ふっ…そうだったな…兎に角頼んだぞ…。」
「了解や。」

そのまま2人はそれぞれ去っていった。

〜第40話 完〜