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Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ&コメ募集中 ( No.22 )
日時: 2011/04/29 21:54
名前: 青銅 (ID: zXyKVICa)

〜第5話 喧嘩狩り集団とレオンの弱点〜

あれから3日が立った。
レオンはすっかり回復し、いつもどおり路地裏で修練をしている。

「鈍ってはいないな。」
「本当に大丈夫なんですか?」
「何とかな。」

そういってジャブの練習をするレオン。

「しかし悪いな。俺の代わりに金稼いでもらって。」
「大丈夫ですよ。ボクだって拳士の端くれなんですし。」

忘れがちだがタカも一応格闘家である。
日本古来の相撲と拳正道をやっているとか。

「俺も早くストリートファイト始めないとな・・・。」
「相変わらずですね兄貴。」
「だったら俺がやってやるよ・・・。」
「誰だ!」

レオン達が振り向くとそこには長身で革ジャン、Gパン、そして寝癖頭の不気味な男が立っていた。

「うわ・・・不気味なヤツ・・・。」
「(はて・・・何処かで見たような・・・))」
「失礼なヤツだ・・・俺は『喧嘩狩り』の一人、羅蔚 龍玖ってもんだ。異名は・・・まぁ良いか異名なんて。とりあえず俺はお前らを倒しに来た。」
「喧嘩狩り?」
「お前らが知るよちもねぇ・・・。」

既に龍玖がつれてきた客で当たりはいっぱいになっていた。
当然断れないレオン。

「まぁ、復活直後の相手としては丁度いいか・・・受けて立つぜ。」
「そうこなくちゃな・・・。」

そして構える両者。

「じゃあ早速。開始!」
「んじゃ、先ずは・・・!」

レオンは龍玖に向かって駆け寄ると正拳突きを繰り出す。
しかし、龍玖は回転するように回避するとそのまま裏拳を放つ。
見事にレオンに命中した。

「イテッ!結構やるじゃん。」

龍玖は何も言わず接近。
レオンはまた正拳突きで対処する。
しかし、龍玖はそれを紙一重でかわし、顔面にパンチを放った。

「うっ!何てヤツだ・・・なら・・・四六拳!」

レオンは得意のパンチの連打を使う。

「読めたぜ・・・ホラよ!」

龍玖はそれを全てかわすとリバーブローを放つ。
たまらず悶絶するレオン。

「うげぇ!」
「そんな・・・兄貴の攻撃が当たらないなんて・・・ハッ!もしかして!」
「気付いたみたいだな黒髪。俺は相手の筋肉のわずかな動きも見える。そのために強力な先読み能力を得てるのさ。」
「そんな種!」
「おらよっ!」

レオンが突きを放つ前にパンチの連打を繰り出す。
レオンは対処できずに全てのパンチが当たってしまう。

「兄貴!」
「コイツの弱点もわかってるんだ。こいつの弱点はラフファイトが得意な故にコイツ自信ラフファイトに弱いんだよ。前に見学したときに解かってんだ。」

ダウンしたレオンの頭を踏みつけてそういう。
レオンは気絶はしていないものの頭を踏みつけられて立つ事ができない。

「ライオンもこの通り形無しだな。」
「さっきから黙ってれば・・・。」

レオンは龍玖の足を掴もうとするが龍玖は足を上げて回避。
そして思いっきりレオンの頭を踏みつける。

「うぐっ!」
「さぁどうする?負けを認めるかタヒぬかどちらかだ。言っとくけど次の一撃でお前を葬る事も出来るんだぜ?」

勝利を確信したようで見下したようにレオンに問う。
しかし、レオンは笑みを浮かべて言った。

「どっちも嫌だね。」
「何だと・・・良い度胸だ。頭蓋を砕いてやるよぉ!!!」

思いっきり足を上げる龍玖。
しかし、レオンは上げたほうとは逆の足を掴み、思いっきり引く。
たちまち転げる龍玖。

「自分の弱点も知りな。不気味男。」
「なんだと・・・!」
「お前の弱点・・・読めたぜ!」

そういうとレオンは何を思ったのか、正座をする。

「兄貴・・・何を・・・。」
「コイツの弱点はこれだよ。」
「はっ!コイツはお笑いだぜ。この状態から如何倒すってんだ!?」

龍玖はその鉄拳をレオンに放つ。
レオンはその拳を据わった上体で回避し、腕を引っ張って龍玖のみぞおちに鉄拳を当てる。

「グアァ!な、何だ!?攻撃が読めねぇ!?」
「兄貴、何をしたんですか?」
「逆転の発想だよ。弱点を解かってるなら戦法を変えれば良い。」

そういうと今度は足を掴み、先ほどのように転ばせる。
レオンはその直後、高速で状態を起こす。

「なっ!」
「弱点が解かれば戦法を変える。自然の摂理だぜ。硬槌拳!」

そして顔面を殴った。
たちまちダウンした龍玖。

「グアァ!」
「勝負アリ!!!」

周りからは歓声が上がる。
そして龍玖は立ち上がる。

「チクショウ・・・負けたか・・・覚えてな。百倍にして返してやるよ・・・!」

そのまま龍玖は立ち去った。

「腕は落ちてなかった!」
「さすが兄貴です。」

収まる事のない歓声。
巻かれる硬貨。

「しかし・・・不気味なヤツだぜ・・・。」
「まぁ、確かにアレは・・・。」

そんな感じのことをもらす2人。
その頃、地下街のとある建物。
そこに龍玖は入っていった。

「龍玖・・・ただいま帰りました・・・。」

龍玖はとある部屋に入り、そのお偉いさんであろう人物に報告をする

「ご苦労だね・・・惨敗・・・。」
「クスクス。惨敗だって。」
「あの弱突きがねぇ・・・。」

周りからは驚いたと言う言葉やバカにする言葉が龍玖に向けて放たれる。

「サテ・・・今日はもう私の前から去りたまえ。君にかける言葉も無い。」
「・・・ハイ・・・。」

龍玖はそそくさと去っていった。

「いいかね諸君。君達もああならない為に働いてもらうよ。我らが喧嘩狩りの諸君・・・。」

男は静かに言うと周りからはいっせいにイエスの言葉が出る。
謎の喧嘩狩り集団・・・彼らは一体何者なのか、今はまだわからない。

〜第5話 完〜