ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ

Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ&コメ募集中 ( No.30 )
日時: 2011/06/09 21:55
名前: 青銅 (ID: W3Oyo6TQ)

〜第7話 ロンよ、お前は今何処で〜

レオンとロンのあの勝負から一ヶ月。
ロンは今どうしているのか。

「はぅあっ!」
「貴様ごときでは俺には勝てぬ。ましてやレオンさえも倒せぬだろう。」

彼もまた、ストリートファイトに明け暮れていた。
彼が再戦を望む相手であるレオンを超えるために。

「ロン様〜。これで10連勝ですわ〜♪」
「まだだ・・・この程度ではレオンに超えられるだろう・・・」

自らの実力を低く評価するロン。
そんな彼を心配するリイフェン。

「ちょっといい?」

ロンたちの前に何者かが現れる。

「貴様、何者だ。」
「アタシの名は累加。通称は還し身累加。」
「お前、ロン様に何のようだ。」

模造刀を抜き、累加と呼ばれる女に向けるリイフェン。
それでも全く怯まない累加。
ロンはリイフェンに刀を納めるように言い、累加に歩み寄る。

「何だ…闘いを挑みに来たのか…?」
「あんた、レオンを倒したいんでしょ?いい場所がある。ついてきな。」

言われるがままに着いて行くロンとリイフェン。
ついた場所はとある倉庫だった。
その中には大量の男達が入っていた。

「何だここは・・・。」
「此処、あたしら喧嘩狩りの訓練所。」
「喧嘩狩り・・・?」
「こう言う物。」

累加は名刺を取り出すとロンに渡す。
ロンはそれをみるが興味なさげにそれを還す。

「まぁ、アンタの実力ならあたしらの組織で格上になれるわ。そうすれば何をするにも自由自在!どう!?入らない!?アタシ、今日はそれが任務だから!」

今すぐに返事をもらいたがる累加。
しかし、ロンは答える。

「NOだ・・・そんなもの興味は無い・・・。」
「あっそ・・・失敗だね・・・。」

残念そうな表情で呟く累加。

「さっさと修行させろ。」
「入らない癖に修行はやるんだね・・・わかったわ。」

そういうと累加は指を鳴らす。
すると男たちはロンに向けて構えを取る。

「あたしらの訓練は自分を追い詰める事。追い詰めることで自らは進化するのよ。その方法ゆえにこの訓練は生きるかタヒぬかどちらかしか出られる方法は無いわよ。如何?それでもやる?」

挑発するかの様な言い方でロンに語りかける累加。
ロンは答えた。

「その質問の答えは・・・これだ!」

そういうとロンは目の前の男に密着すると寸頚掌を放つ。
たちまち男は倒れる。

「OK。じゃあ後は良いわね。アンタも出るよ〜。」
「ロン様・・・ご武運を・・・。」

そういうと倉庫から出る2人。
そして倉庫の扉は閉められ、外から鍵がかかる。

「・・・何処からでも来い・・・。」

そして男たちは一斉に襲い掛かる。

「鉄山靠!」

ロンはその技で男達を弾くが次々と襲い掛かる。
中には武器を持った物までおり、倒しても倒しても休む間も無く襲い掛かる男達にロンは体力を奪われて行く。
しかし、ロンはそのポーカーフェイスを崩さずに黙々と倒して行く。

「フフフ・・・なかなかやるじゃん・・・何時まで持つかな。」

倉庫の窓から累加がのぞき、クスクスと笑いながら様子を見ていた。
























それから一週間がたった。
倉庫の前には累加とリイフェンがいた。

「このくらい立てばあいつももうタヒんだでしょ。」
「貴様・・・!最初からロン様を!」
「勘違いしないでよ。あたしはアイツが強くなりたいって望むからそれに見合った修行を提供しただけよ。」

刀を向けるリイフェンを軽くあしらう累加。
類かは笑いながら鍵を開ける。

「それではタヒ体とご対・・・面・・・。」

累加は言葉が出なかった。
それもそのはず、ロンは生きていたのだ。
倒れている男達の中心で堂々と立っていたのだ。

「良い修行だった・・・。」
「ロン様!」
「ま、マジで・・・こいつバケモノだわ・・・。」

累加に向かってロンは歩き出す。

「これなら・・・確実にヤツを倒せる・・・礼を言うぞ・・・。」

累加にそういうとロンはその場を去る。
一週間もやったからだろう、その足取りはかなりふらついており、今にも倒れそうなほどだ。

「ロン様!大丈夫ですか!?」
「問題ない・・・。」

ロンはリイフェンの肩を借りて歩き出す。

「・・・へぇ・・・あいつ凄いじゃん・・・まぁ、うちの奴らには劣るけどね・・・うちの幻獣達には・・・ね。」

意味深な言葉を吐いた後、倉庫から立ち去る累加。
そして彼女が向かったのは龍玖がいたところと同じ建物。

「ボス〜。行って来たよ〜。」
「どうだったかね?」
「あいつタヒななかった。」
「・・・頑丈だね・・・まぁ、うちの奴らにはかなうまい・・・。」
「だね。」
「「ハハハハハ。」」

そういうと2人は笑った。
その頃、レオン達は・・・。

「オラオラオラ!本気で俺にかかってきな!」
「言われなくとも!」
「『全力だよ!』」

レオンはタカと紫庵の2人を相手に修行していた。
互いに全力でやりあうレオン達。
しかし、レオンは気合でタカと紫庵を押して行く。

「行くぜ!四六拳!」

パンチの連打で2人を倒すレオン。

「よっしゃ!もう一度!」
「兄貴〜、正直1週間ぶっつけはキツイですって・・・。」
「『休ませて〜・・・。』」
「何言ってやがる!こうしてる間に他のヤツラは強くなってるんだ!・・・アイツもな・・・。」
「ロンさんですか?」

しみじみとロンの事を思い出すレオン。

「『ねぇねぇ、ロンって誰?』」
「八極拳の使い手で、今の所兄貴を唯一負かした人なんです。」
「『えぇ!?あのレオン先生を!?やっぱり先生大したこと』」
「殴るぞコラ。」

イキナリ怒られたので驚く紫庵。
それを笑うタカ。
その時だった。

「相変わらずの気楽振りだな・・・。」

レオン達はその声に振り向く。
そこに居たのはロンだった。
既に回復したようで堂々と歩いている。

「来たか・・・久しぶりだな、ロン。」
「『あの人がロン・・・。』」
「エェ・・・兄貴を負かした人です・・・。」

レオンとロンはお互いに近づく。

「アレから随分修行したみたいだな・・・以前よりも迫力が高いぜ・・・。」
「お前もそれなりの修行はしたみたいだな・・・。」

お互いに変化に驚く。

「前回のような物ではなく完全な状態のようだな・・・。」
「勿論よ。」

そしてお互い構える。

「オーディエンス」
「呼ぶな!今回は勝負の邪魔になる!」

客を呼ぼうとしたタカを止めるレオン。
いつものお調子者な雰囲気は無く、只、真剣な面がレオンに残っている。

「『レオン先生があんなに真剣に・・・。』」
「紫庵君・・・邪魔しないように遠くで見ていましょう・・・。」

タカはせめてレオンの邪魔しない事がレオンのためと感じ、紫庵と共に去った。

「ロン様・・・必ず。」

リイフェンも同じく去っていった。

「タカ・・・すまねぇな・・・行くぞぉ!」
「来い!レオン!」

そして今此処にレオンとロンの戦いが再び始まる

〜第7話 完〜