ダーク・ファンタジー小説 ※倉庫ログ
- Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ&コメ募集中 ( No.33 )
- 日時: 2012/02/19 14:31
- 名前: 青銅 (ID: glXVlHlM)
〜第9話 始動の喧嘩狩り集団〜
今日もいつもどおりストリートファイトをする予定だったレオン達。
いつもと変わらずに戦う予定だった。
あれが来るまでは・・・。
「今日も地下街でバトルするぜ。」
「いつも通りですね〜。」
とある学校にいたレオン達。
ちなみにレオン達は何も地下街に住んでいるわけではない。
ちゃんと地上の高校に通っているのだ。
「紫庵にもメールで誘ってるし引けねぇだろ?」
「まぁ、どんな事しても行きますけどね。」
「さすが相棒。物分りがいいぜ。そんじゃ、また後でな。」
一旦別れたレオンとタカ。
そして場所は変わり、地下街。
レオンはタカ達の元へ来るがなにやらタカと紫庵の他にもう一人いた。
「よぅ、お前ら!何か増えてるな!」
「来ましたね!兄貴!こちらの方は僕のクラスメイトのクララさんです。」
「宜しくお願いします。」
「『そんな訳でレオン先生!今日もやりましょう!』」
「勿論よ!」
そして今日も相手を探し回る。
いつもどおりに倒すレオン。
そして今日も一日がすぎていった。
「今日も戦いましたね。」
「よ〜し、帰るか!」
そして出口まで歩みを勧める。
そのときだった。
周りの街灯が急に消えたのだ。
「何だ?停電か?」
「『地震も起こってないですけどね。』」
「発電所のトラブルですかね?」
「だけど予備電源がつくはずですが・・・。」
それぞれ思い思いに口にした。
既に彼らは地下街に閉じ込められたとも知らずに。
そして地下街にあったテレビなどが急に移る。
「あっ、テレビがつきました。」
「テレビに予備電源なんてあったか?」
「さぁ・・・。」
そのテレビを見ると急に映像が変わった。
そこには一人の男が移っている。
「やぁやぁ、この地下街にいる格闘家の皆さん。こんにちは。」
「何だ?電波ジャックか?」
「そうみたいですね。」
レオン達はその映像をまじまじと見つめる。
「突然だけど君達には悪いけれども、ここでタヒんでもらおうか。」
「はっ?」
「へっ?」
「『えっ?』」
「・・・?」
レオン達はその言葉に唖然とした。
急にタヒぬなんていわれてもピンと来るはずも無かったから。
「申し送れた。私は『参 正来』。私はこの地下街を今より支配する。もとよりこの街には政府がいないのだから支配してもなんら文句など無いだろう?」
「・・・参 正来といえば、何か聞いた事あります。政治家で。」
「・・・行っちまってるな・・・。」
呆れて物も言えないレオン達。
「やいやい、ジジイ!何でオレ達がタヒなないとダメなんだ!」
「そうだそうだ!」
周りからは不満の声などが上がっている。
「黙れ!害虫ども!」
その声は正来にも聞こえたらしく、テレビ越しで怒鳴り声を上げた。
「第一誰のおかげでこんな事をしていると思っているのだ!貴様らが好き放題暴れるからだろうが!貴様らに反論する権利など無い!」
その一言で周り全体が静かになる。
「まぁ、貴様らは我が特殊部隊が既に出動させてある。貴様らの命運も此処までだ。抵抗しても無駄だし、出口も全て塞いである。この件についても私のコネで何とかできるからな。あきらめるんだな。それでは諸君、ごきげんよう。」
そういうとテレビが元の画面に戻る。
その直後、外から悲鳴が現れた。
「何だ!?」
そこにはピストルなどの武器を持った男達が次々と周りの人たちを殺していた。
当然、周りは逃げ惑うが出口も完全に封じ込められ、次々と倒れていく。
「まずいな・・・すらがるぜお前ら!」
「ハイッ!」
「『了解です!』」
レオン達もその場から逃げ出した。
そして一旦、いつもの路地裏に逃げ込んだ。
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・あいつガチでやるつもりだな・・・。」
「どうしますかね・・・。」
「『出口も無いですし・・・。』」
「考えるんだ!こういうときこそ」
「いたぞぉ!」
近くにナイフを持った男が現れた。
そしてそのナイフを構えてレオン達に襲い掛かる。
「ちっ、もうきやがったか・・・!」
レオン達はナイフの男数名を相手にする。
しかし、その数にレオン達は次第に押されてゆく。
「数多すぎだぜ!」
「倒しきれませんって!」
そのとき、紫庵が足をすくわれて転んでしまう。
それをチャンスといわんばかりにナイフを突きつける男。
「タヒねぇ!」
「頂肘!」
男がナイフを刺そうとした瞬間、前方から突如現れた男に倒される。
その男・・・そう、ロンだ。
さらにリイフェンも駆けつける。
「ロン!テメェ無事だったか!」
「当たり前だ・・・貴様を倒すまで俺はタヒなぬ・・・。」
「ロン様、話は後でまずは倒しましょう!」
「・・・解かった・・・。」
そういうと背後から来た男を振り向きもせずに倒すロン。
レオン達も応戦する。
「しかし・・・これはかなりの多さだな・・・。」
「チクショウ!キリがねぇ!」
「ここは逃げるが勝ちですわ・・・孫流忍術 火遁!」
地面に油をまき、それに刀で火花を起こして着火。
たちまち地面は炎に包まれる。
「さぁ、ロン様!逃げましょう!」
「承知した・・・!」
「オレ達も行くぞ!」
そしてその場から離れるレオン達。
「しかし、逃げるといっても何処に!?」
「兎に角逃げるしかねぇだろうよ!」
逃げ惑うレオン達。
そのときだった。
「あんたら・・・こっちだ・・・。」
路地裏のさらに狭い通路から手を招く一人の男がいた。
レオン達はそこに走りよる。
「テメェは?」
「話は後だ。こっちに来い。」
言われるままについて行くレオン達。
そして突いた場所はマンホールの下、要するに下水道だった。
「ここなら安全だ。俺が保障する。」
「スマネェな・・・お前、名前は?」
「俺はロア。ロア・ヴァネッサ。周りからは『月砕』の異名で呼ばれてる。」
ロアと名乗る男は下水道のさらに奥へと案内する。
するとそこにはレオンと同じく避難してきたのであろう数名の人たちがいた。
「おぉ、無事だったヤツがまだいたか!」
「不死身でござるな・・・おぬし達・・・。」
「テメェは確か自称、街一番の喧嘩屋に前の言い掛かり侍!」
さらにそこに居た者は、かつてレオンと戦った男達。
「お前らも生きてたなんてな・・・。」
「まぁまぁ、オレ達も必タヒこいて此処まで来たんだ。旦那の実力も知ってるぜ。協力して脱出しようぜ、旦那。」
「フッ・・・先刻は失礼致した・・・拙者、負けず嫌いな物で・・・。」
それぞれ改心はしたようでレオンに対して謝罪と敬意を表す。
そのとき、レオンの肩に何者かの手が置かれる。
振り向いたレオン・・・しかし、振り向いたら頬に指が・・・。
「・・・相変わらずチンケな悪戯するな・・・メイ!」
「相変わらず鈍いアルね・・・。」
彼女の名は明 月霊。レオンのご近所さんである。
同時に彼女もまた有名な拳士だ。
「テメェはったおすぞコラ!」
「まぁまぁ、落ち着くアルよ。」
「コイツラもオマエラと同じ俺が案内したヤツだ・・・俺の作戦の為にな。」
「その作戦って?」
「この街から出る作戦だ!」
こわばった表情でそういうロア。
全員がロアに注目する。
「助かる方法・・・?」
「この街から出られない・・・それは何故だと思う・・・?」
「『何故なんすかね?』」
「さぁ・・・。」
「理由は簡単だ。恐らく正来の権力によるものだろう。なら逆転の発想だ。そいつを捕らえて無理にでも出る。」
「あながち簡単そうだな・・・。」
「たわけ!俺が調べた情報によればヤツの配下に大量の拳士がいると出ている!それもそこらのヤツとは違う、かなりの強敵がな!」
怒鳴るようにそういうと周りが沈黙に包まれる。
「『(そんなに強いのが大量に・・・。)』」
「(勝率はかなり低いです・・・。)」
大半の者たちは絶望を隠しきれない様子だった。
しかし、当のレオンは・・・。
「面白ぇじゃねぇか。つまりオレ達より強いんだろ。この戦いで成長するチャンスじゃん。」
「何を能天気n」
「お前らしい答えだな・・・俺も参加させてもらう・・・。」
レオンとロンは作戦の参加を決意した。
「レオン達だけじゃ心配アルネ。アタシも参加させてもらうアル!」
「兄貴が行くなら僕だって!」
「『先生の行くところに僕らありですよ!』」
「私も未熟ですが何とか!」
「ロン様のためなら・・・。」
メイ、タカ、紫庵、クララ、そしてリイフェンも参加を決意する。
「オレ達も旦那の役に立てるかどうか知らないけど参加するぜ!」
「拙者も・・・。」
男と侍も参加を決意する。
「だいぶ集まったな!そんで、お前らの名前聞いとくぜ。」
「俺か?俺は荒垣 健吾だ。」
「拙者は・・・漣 総と申す・・・。」
「OK、覚えた。」
笑顔でそういうレオン。
そしてロアは口を開く。
「じゃあ作戦を展開する。調べた結果、ヤツの根城はこの街の中心のビルと思われる。そこに行くためのルートは4つ。その内、東はレオン、そしてタカとクララに頼んでもらう。」
「了解したぜ。」
「続いて西がロンとリイフェン、南が紫庵に月霊、そして北は健吾と総で攻めてくれ。」
「・・・お前は?」
「俺は情報を集める。良い情報が入ったらお前らに知らせる。」
「OK!任せた!」
「それでは・・・健闘を祈る・・・。」
そしてレオン達は外へ出た。
地下街を舞台に史上最大の戦いが今、始まる。
〜第9話 完〜