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Re: 気まぐれストリートファイト オリキャラ募集&参照100突破! ( No.50 )
日時: 2012/02/18 21:55
名前: 青銅 (ID: glXVlHlM)

〜第15話 崩れ去る猛攻〜

『河』の門に入っていったタカ。
中は真っ暗である。

「ちょっと〜、照明無いんですか?」

周りを見渡す。
するとスポットライトがある一箇所に集まる。

「何すか?ショーでも?」
「何だ。アンタが相手か。あたしは目星つけてたんだけどね。」

現れたのは女だった。

「あたしは累加。還し身累加よ。」

名乗りを上げる女
その頃外ではロンが女を見るやうろたえていた。

「むっ・・・やつは!」
「ロン!テメェ知ってるのか!?」
「あぁ・・・俺がお前に再戦する前に修行を提供したやつだ・・・まさか幻獣門の一人だったとはな・・・!」

そう、その女こと累加はかつてロンと接触した事があるのだ。
詳しいことは7話を参照すると良い。

「さぁさぁ、続いての対決!青コーナー、小柄ながらも怪力を誇る男、投げの白犀 嶋 崇史選手!」
「えっ?何で本名知ってるんすか?」
「赤コーナー、清流と激流の融合体、還し身累加選手!そんじゃ試合開始〜!」

ゴングを鳴らすとそそくさと去って行く。

「さぁ、何処からでもどうぞ?」

両手を広げてノーガードの状態で構える累加。

「・・・では、遠慮なく!」

一瞬不審がるタカだがチャンスといわんばかりに張り手をかます。
しかし、累加はそれを的確に裁くと空手チョップで反撃する。

「アイタッ!か、カウンター技っすか!?」
「その通り。あたしは全ての攻撃を受け流してその威力を相手に返すことが出来るの。そのおかげで今まで200回戦っても血どころか傷一つつかなかったわ。あんたの攻撃なんてあたしには聞かないわよ。」
「くっ・・・それなら!」

累加を掴むと今度は投げに移行する。
しかし、足でタカの首根っこを挟むとそのまま足で投げ返した。

「うっ!な、何で・・・。」
「だから、あんたの攻撃は効かないの!」

タカの胴体を踏みつけながらいう。
タカはその足を掴むと掬おうとするが累加は足を勢いに任せて振り合げ、踵落しを繰り出す。

「うぐっ!」
「あんたもしつこいね。」
「まだまだ・・・!」

執念で立ち上がると両手を引っ込める。

「相撲48手奥義 突っ張り!」

連続の張り手を放つタカ。

「連続技なら破れると思ってるのね。馬鹿。」

そういうと一つずつ捌いていき、その数と同じ分だけ返し技を放つ。
一発一発をまともに食らうタカ。
そして最後の一発食らったところでダウン。

「どう?アンタ、自分の技が当たらない気分は。」
「くっ・・・。」

苦虫を噛み潰した様子の表情を浮かべる。
その頃、外では。

「くそっ!あんなのどうすればいいんだよ!」
「・・・投げも打撃も封じられる・・・万事休す・・・か・・・。」

レオン達もその状況に苦心の表情で見つめていた。
一方、タカは。

「くっ・・・はぁぁ!相撲48手奥義 内無双!」

今度は相手の膝を救い上げて倒そうとする。
勿論、掬われた瞬間に一回転キックを放たれて失敗。

「相撲48手奥義 徳利投げ!」

相手の頭部を両手のひらではさみ、横にユッサユッサして倒そうとする。
勿論、倒される瞬間に足で首を挟み、逆に倒す。

「相撲48手奥義 一本背負い!」

返し技に負けず片手を掴み、背負い投げを放つ。
頭部に激突する前に足をつけ、勢いを利用して逆に一本背負いを掛ける。
そして・・・。

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・。」
「アンタも懲りないねぇ・・・。」

傷だらけのタカと裏腹にほとんど無傷の累加。
最早打つ手無しである。

「(くっ・・・こうなったら・・・。)」

再び構えの姿勢を見せる。

「うぉぉ!相撲48手奥義 ぶちかまし!!!」

そのまま体当たりを放つタカ。
それを見て笑みをこぼす累加。

「ハイ、さようなら・・・はぁっ!」

それを円運動で回避するとその威力のまま正拳突きを放つ。
それを顔面に受けるタカ。
そのまま吹き飛び、ダウン。

「おや・・・如何かな・・・。」

横から出てきた小五郎。
外では・・・。

「タカぁ!」
「タカ君!」
「『先輩!』」

ダウンしたタカに大声を上げるレオン達。
その頃、タカはダウンしながら思っていた。

「(アァ・・・どうすれば・・・ヤツのカウンターを・・・動きさえ止めながらやれば・・・)」

それは最早弱音である。

「(動きを止められれば・・・んっ?動きを止める?)」

そのとき、タカは考えた。

「それだっ!!!!!」
「ワッ!?」

様子を見ていた小五郎はイキナリ大声を上げて起きてきたタカにビックリする。

「あっ、起きた。」
「あっ、すみません。まだやれます。」
「あっ、そうですか・・・それでは再開!」

そそくさと去って行く小五郎。
外では。

「『あっ、先輩おきましたね』」
「『それだっ』て・・・何か考えたなあいつ!」

そしてタカは構えを見せる。

「ねぇ、アンタまだやるの?アタシの勝ちは決まったのに。」
「残念ながら、返し技破れたりですよ。」
「はっ?」
「この技で貴方の闘術は100%封じられます!」
「えっ・・・。」

驚きを隠せない累加。
そしてタカは接近する。

「な、あ、アタシの闘術100%封じるなんて・・・出来るわけが!」
「それが出来るんですよ!相撲48手奥義 閂!」

累加の両手を掴むとそのまま外側から抱え込むように捕らえた。

「なっ、う、腕が・・・!」
「これで腕は極めました。50%封じ込めました。」
「だ、だけど・・・この足がぁ!」

蹴り上げようとするが跳躍で回避される。
そして自分の足を累加の足に絡みつけ、動けなくさせた。

「うっ・・・!」
「予想通りですね。返し技ばかりに頼るから駆け引きや自分からの攻撃に弱いと考えたんですよ。まぁ、これで100%封じ込めましたよ。」
「そ、そんな・・・!」
「それでは止め!相撲番外奥義 百貫潰し!」

そのまま相手側に体重をかけ、倒す。
そして体重を乗せ続け、圧迫。

「うぎぎ・・・。」
「今までの分のお返しです。はぁっ!」
「うぎゃあぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

さらに体重を掛けるタカ。累加は物凄い大声を出し、気絶。
横から小五郎現れる。

「勝負アリ!勝者、嶋 崇史選手!」
「だから何で本名知ってるんですかね?」

そそくさと去って行く小五郎。

「・・・まぁいいや。」

そのまま門から出るタカ。
出るや否やレオンから熱い拳の祝福が送られる。

「アイタッ!」
「タカぁ!よくやった!」
「『さすが先輩です!』」

2人から胴上げをされるが人数不足の為に落ちて大惨事。

「タカ!」
「『ちょっ!先輩のフィアンセさん!お願いします!』」
「えっ?ちょっ・・・はっ、ハイ!」

治療の為に運ばれるタカ。

『いろいろ騒がしいねぇ・・・。』
「正来・・・次は俺が出る。」
『そうかい・・・。』
「よ〜し!お前なら楽勝だろ!楽に行ってやれ!」
「ふっ・・・お前らしい応援だな・・・。」

そしてロンは白鯨の門をくぐって行った。

「俺の相手は誰だ・・・。」
「さて・・・次は俺の番かぁ。思いっきりやってやんよ!」

そして対戦相手の男はロンの前に現れた。

〜第15話 完〜